流れとかたち - 万物のデザインを決める新たな物理法則

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流れとかたち - 万物のデザインを決める新たな物理法則

  • ISBN:9784314011099

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内容説明

分野を超えて衝撃を与える、革命的理論の誕生

ダーウィン、ドーキンス、グールド、プリゴジンらに異を唱える熱力学の鬼才が放つ、衝撃の書

           ◇

樹木、河川、動物の身体構造、稲妻、スポーツの記録、社会の階層制、経済、グローバリゼーション、黄金比、空港施設、道路網、メディア、文化、教育――生物・無生物を問わず、すべてのかたちの進化は、「コンストラクタル法則」が支配している!

           ◇

著者エイドリアン・ベジャンは、1996年にノーベル化学賞受賞者イリヤ・プリゴジンの講演を聴いていた際、「河川流域や、肺の気道、稲妻など、自然界に豊富に見られる樹状構造の類似性は偶然である」という、プリゴジンの主張が間違っていることに突如気づいた。

この閃きからベジャンの思考は一気に流れ出した。万物のデザインを支配する物理法則の存在を確信したベジャンは、のちに「コンストラクタル法則」と名付ける法則の定義を、以下のようにノートに書き留める。

「有限大の流動系が時の流れの中で存続するためには、その系の配置は、中を通過する流れを良くするように進化しなくてはならない」

驚くことに、この法則は生物のみならず、河川流域や稲妻の形状、果ては工業製品や社会制度のかたちなど、無生物にも適用されるものなのだ。ベジャンは生命の概念を生物学の領域から切り離す。すべてを「流動系」と見なせば、そのかたちの進化はコンストラクタル法則に従うという。そして最終章では、同法則を用いた人間社会の未来予測が展開される。

「すべては、より良く流れるかたちに進化する」という、一見過激なこの物理法則はいかに説明されるのか?
初めて一般向けにまとめられたベジャンの革命的理論が、ついに日本に上陸する!

           ◇

「世界を動かすのは愛やお金ではなく、流れとデザインである」……「序」より

           ◇

目次


すべては流れを良くするために/「生きている」とはどういうことか/流れがすべてをデザインする/雪、溶岩、滴/世界を動かすのは愛やお金ではない/コンストラクタル法則は第一原理である/自由を与えられれば/自然界のデザインを説明する法則/ダーウィンの説に足りないもの/流れに身を任せよ

第一章 流れの誕生 
「デザイン」とは何か/物理法則が支配する世界/人間の呼吸器系/熱力学/「系」の定義/エネルギー/摩擦という不完全性の働き/自由はデザインにとって善である/なぜ流動するのか/水の流れ/旅の中身が肝心だ

第二章 デザインの誕生 
「デザインする」とはどういうことか/電子機器の冷却システム/河川の流れ、血管の流れ/完全に自然な「人工的」デザイン/コンストラクタル法則の例証/さまざまなスケーリング則/生命は流れであり、動きであり、デザインである

第三章 動物の移動 
動物のデザインは偶然の産物ではない/体の大きさと動き/動きにまつわる基本的事実/飛ぶ動物の分析/走る動物の分析/泳ぐ動物の分析/動物の代謝率/動物の器官と乗り物の部品の大きさ/より効率の良い流れのために

第四章 進化を目撃する 
スポーツの進化とコンストラクタル法則/重心の位置が及ぼす影響/車輪の発明/足のデザイン/生への衝動としてのデザイン

第五章 樹木や森林の背後を見通す
なぜ樹木は存在するのか/流動系としての樹木/樹木の根をデザインする/エッフェル塔の秘密/幹と枝をデザインする/樹木を流れる水のために/森を見る/すべては地球という流動系の構成要素である

第六章 階層制が支配力を揮う理由 
社会制度を説明する物理法則/流動系としての社会/ヴァスキュラライゼーション/階層制というデザイン/流れの良い組織の構造/階層制と科学/階層の上下は支え合う/階層制の予測可能な調和/ジップの法則/メディアの趨勢/社会制度のデザイン

第七章 「遠距離を高速で」と「近距離を低速で」
可能な限り速く、遠くまで/折れ線問題/二つの流動様式の均衡/白と黒/人造の世界の変化/空港のデザイン/都市のデザイン

第八章 学究の世界のデザイン
大学の序列とコンストラクタル法則/良いアイデアが普及する構造/揺るがない大学の序列/バスケットボール・チームの序列/見えない流れ、帝国の支配

第九章 黄金比、視覚、認識作用、文化
自然現象としての黄金比/脳の中の流れ/黄金比とコンストラクタル法則/目の出現/文化─良いアイデアは伝わり、存続する

第一〇章 歴史のデザイン
第一節 太陽─流れの源(エネルギーの流れを俯瞰する/エンジンとブレーキ)
第二節 生命の進化─人間と機械が一体化した種の出現へ(生命の誕生と流れ/生物の進化とコンストラクタル法則/人間と機械の一体化した種/狼煙からインターネットへ/コンストラクタル法則による未来予測)

解説 木村繁男(金沢大学教授)
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mura_昇龍

47
質量をもった物を効率的に移動させる『かたち』。それは自然にできたデザイン。無生物と生物を包含したすべてのものに通ずる『コンストラクタル法則』。樹木の枝や根、河川、肺、血管、雷、渡り鳥の編隊、樹氷など形状は効率的にデザインされている。物事は平衡状態へ落ち着く。運動量、熱、科学種、知識、食物、文化等等。良いアイデアは伝わり伝わり続ける。流れが遅い時は層流、流れが十分な速さになると乱流の方が効果的。最初から最後まで同じことをずっと書き記している印象と、物理学が主なため難しい部分もあり、読み進むことが辛かった。2014/02/08

デビっちん

32
再読。あらゆる生物・無生物のデザインをたった1つの物理法則が形作っていることを示す刺激的な内容です。その物理法則をコンストラクタルの法則と言い、河川流域や樹木といった自然、血管系、人工の冷却システムから社会組織、はたまた文化や歴史にまでその法則の影響が及んでいます。科学の力で論理的に導き出した流動係の最大効率化が、対局に位置している自然界の取り組みと一致していることが大変興味深かく、コンストラクタルの法則は美しいものだと感じました。2017/10/03

tapioka

23
動きのあるもの=流動系は、平衡状態となるように形を変えたり動いたりし、その平衡状態が効率的で最適な形に向かって変化する法則をコンストラクタル法則と呼び、その法則を踏まえれば、河川や動物などの流動系の動きや変化を予測できると述べた本。熱力学の権威の方が著者で、説明が平易で読みやすく、理論も興味深いです。法則の説明よりも適用例が多く、少し説明がクドイ感じを受けました。また、本書だけでは本当なの?と疑いがちですが、割と色んな分野の人達がこの法則の有用性を述べているみたいですので、デタラメな内容ではなさそうです。2015/05/28

わたなべよしお

16
 ノーベル賞学者に反論し、ダーウィンも否定。実に刺激的、と思って読んでいたが、とんでもない。そんなものではなかった。コンストラクタル法則は我々に、コペルニクス的転回を強いる。世界の見方が根本的に変わってしまうのだ。途中から、意識して疑うようにしたが、事実は、この法則の通りかもしれないと…。もし本当に、この法則で世界を描写できるのだとしたら「種の起源」や相対性理論に匹敵する影響を世界に与えるだろう。「流れといのち」も読まなきゃ。2019/06/17

gotomegu

13
書店で見かけて。遠くに速く、近くはゆっくり。一点から一領域に一斉に届く物理的な形。肺の樹状デザインと河川の形は一緒。コンストラクタル。相似形で流れ伝わるものはすべてこの形。だから全貌が見えなくても予測がつく。人の流れのデザイン(例えば効率のいい空港)も一緒。走るのは黒人、泳ぐのは日本人が物理的に速い人種だ。重心の高さによってスピードが変わるため。「あらゆる移動はひとつの原理に支配されている」植物は水を空中に放出する装置。『自然は脈動する』と一緒に読んだので、頭の中は混ぜ合わせてすごいことになってる。2021/04/15

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