11通の手紙

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11通の手紙

  • ISBN:9784093886970

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内容説明

天安門事件から30年、劉暁波の言葉が蘇る。

1989年6月4日、中国の天安門広場で「その事件」は起こりました。

民主化を求める群衆を威嚇するかのような戦車の隊列。巨大な戦車を前に、「轢き殺すなら轢き殺せ」と言わんばかりに一歩も引き下がろうとしなかった1人の若者。その衝撃の映像を記憶している方も多いと思います。

本書は天安門事件で民主化運動のリーダーとして活躍し、獄中においてノーベル平和賞を受賞した劉暁波(りゅうぎょうは 1955-2017)の発言をモチーフにした、平和を訴えかける創作書簡集です。

劉暁波夫妻の友人で劉暁波研究の第一人者・及川淳子氏(中央大学准教授・中国現代社会論)が、劉暁波の遺した発言や行動や実際の出来事を下敷きにして、劉暁波の想いを現代に蘇らせ、平和の大切さを問いかけます。

本書は11通の書簡から成り、それぞれに、言論の自由や、表現の自由、良心の自由といったテーマが盛り込まれています。

巻末には及川淳子氏のリアルなあとがきとともに、社会学者で民主化論の泰斗・笠原清志氏(跡見学園女子大学学長・立教大学名誉教授)による解説を収録し、「天安門事件とは何だったのか? 劉暁波とは何者だったのか?」という現代的問いを提示します。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

燃えつきた棒

37
劉暁波研究者である作者による創作書簡集。 ぼーっとして、読んでしまったが、『六四・天安門事件30周年シンポジウム 「民主化はなぜ挫折したのか」』に参加したら、及川先生が献身的に通訳をされていた。そうか、この人が及川先生か。俄然、親近感が湧いてきた。 『「あの日」、僕たちの故郷で、何が起きたのか。「あの日」、いくつの夢が砕け散ったのか。「あの日」、なぜ、過ちに気づけなかったのか。「あの日」、どれほどの命が、失われたのか。』(「愛する君へ、最後の手紙」)2019/05/30

チェアー

12
天安門事件と、それ以降の知識人への弾圧を描いた手紙の形をとったエッセイ。自由が奪われること、それに反対の声を上げることすら弾圧されること。そんな国が現にここにあることを忘れてはならない。2019/07/08

ののまる

11
パンデミックのために、お籠もり度の高いこの頃は、すっかり読書熱が出ています。せっかくなら直に本屋さんで買ってひいきの本屋を応援しようと行った先で、目当ての本の隣にありました。立ち読みして泣いてしまったので、買いました。亡命の道もあったのに、それでは国内の人びとに声が届かなくなる、と最後まで中国に留まり獄死した劉暁波。彼の言葉は本当に理性的でどんな人にも優しいのです。2020/03/18

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