内容説明
発酵食品にはどんなものがあるでしょうか。味噌、醤油、納豆、かつお節、漬物など、日本古来の食品はもちろん、パンやチーズ、ヨーグルト、ソーセージ、ピクルスなど、世界中に様々なものがあります。さらに、日本酒、焼酎、ビール、ワイン、ウイスキーなどの酒類もみんな発酵食品です。本書では、化学者である著者が、炭水化物やタンパク質、微生物などの基礎知識から始まり、調味料、肉、魚、植物、乳製品など、それぞれの食品の発酵のしくみを易しく解説していきます。そして、農業やエネルギー、現代化学産業と発酵技術の関わりにも言及していきます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
pukupuku
58
こないだ米糠を使って、初めて漬物を作ってみた。どんなふうに美味しくなってくれるのかなぁって、わくわくしてるので、図書館で見つけて借りてみた。カタカタは苦手、科学も苦手な私にはちょっとむかなかったよう。2019/11/13
hit4papa
46
「発酵」に関しての基礎的知識+αが学べる著書。「発酵」と「腐敗」は何が違うのかから始まり、発酵食品をつくる微生物たち、化学反応の仕組み、食品成分、味覚、野菜・魚介類・肉の旨さと発酵、乳製品からお茶・お菓子、酒、そして未来、について論を展開していきます。味覚をセンシングするのがそう難しくないなど発酵以外にさらりの書かれている箇所に目から鱗の発見があります。化学式が所々使われていますが、深く理解せずとも雰囲気で読み進めることはできます。「石油を微生物の発酵でつくる」といった、今後の発酵科学の発展に期待大。2024/04/03
なっぱaaua
36
発酵全般を平易な言葉で教えてくれる入門書。科学の視点でも説明してくれる。衣食住の衣住にも発酵が関わっていた。繊維・壁・染色・漆器・陶磁器に発酵が関わっている事に吃驚。エネルギーになったりマイクロプラスチックを打倒したり石油をつくるところまで未来の発酵技術が関わっているとは。発酵凄いね。普段日本酒の世界はある程度理解しているのだけど、他の発酵の原理が科学や背景含めて説明してくれるのは有難い。なかでも味噌が何故優秀なのかがよく理解できた。発酵とその科学に興味を持ったら是非手に取って頂きたいなと思います。2022/03/01
シロクマとーちゃん
6
発酵は奥が深い。調味料や食料品の味を作り出す発酵や熟成。その仕組みは微生物と酵素の作用によるもので、実は腐敗も仕組みは同じ。微生物を上手くコントロールできるかどうかだ。今でこそ、そのあたりの仕組みが科学的にわかっているものの、こうした技術を作り上げてきた人たちはすごい。微生物という目に見えないものをコントロールするのだから。ちょっとした、工程の違いで、味も変わるだろうし、失敗することもあるだろう。2023/07/30
一条
4
発酵がいかに身近な存在であるかということを思いしった。伝統や慣習のような歴史とも密接で奥がかなり深いとも感じた。高校以来全く触れてこなかった化学にも少し意欲が湧いてきた。とにかく知的好奇心を刺激させられる本だったと思う。2024/07/20