鶴見俊輔伝

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鶴見俊輔伝

  • 著者名:黒川創【著】
  • 価格 ¥2,552(本体¥2,320)
  • 新潮社(2019/05発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 690pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784104444090

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内容説明

後藤新平を祖父に、鶴見祐輔を父に生まれた鶴見俊輔。不良化の末、渡米してハーヴァードに入学。日米交換船で帰国して敗戦を迎える。その後の50年にわたる「思想の科学」の発行、「ベ平連」の活動、「もうろく」を生きる方法まで。あらゆる文献を繙き、著者自身の体験にも照らしつつ、稀代の哲学者の歩みと思想に迫る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

75
戦後日本を代表する哲学者・鶴見俊輔(1922-2015)の評伝。政治家の家に育った幼少期、ハーヴァード大学で学ぶ青年期、太平洋戦争開戦とともに交換船で帰国して従軍、戦後は月刊誌『思想の科学』を創刊し、以降50年間にわたって「反動の思想」という哲学的立場をとって言論活動に入る鶴見俊輔の軌跡。読み物としての面白さには少し欠けるが、こういう日本人がいたことを忘れてはいない。2019/05/22

とくけんちょ

56
名前は知っていたが、何をなした人なのかよく知らずにこの本を手にした。読み終わり、作者の目論見にカチッとはまった読者だと分かった。人生の擬似体験。さぁ、戦後の混乱した時代、エネルギッシュに生きなければ埋没した時代、誰もが明るい未来を夢見た時代。賛否はあっても、自分の信じる正義を貫く。憧れを感じます。2020/01/15

おさむ

43
Wikiで調べると、哲学者、思想家と書いてある鶴見俊輔さん。この伝記を読むと、そんな範疇には止まらないスケールの大きな人だったことがわかる。思想の科学やベトナムに平和を!連合などの活動しか知らなかったので、驚きでした。とりわけ後藤新平を祖父に持つピカピカのエリート一家に生まれ育ち、10代で渡米してハーバード大学を卒業したという青春期の話は、ほんまかいなと思うほど。従軍をはじめ戦争が彼の人格形成に大きな影響を与えたんだなと実感。大佛次郎賞受賞作。2020/02/07

壱萬弐仟縁

34
重厚な本。一高弁論部の後輩たちが集まったのが「火曜会」の始まり。日銀理事・深井英五、法制史家・瀧川政次郎、朝日新聞記者・杉村楚人冠、満鉄理事・松岡洋右、国民新聞社社長・徳富蘇峰らが講師役。再開後の初回の講師は、島崎藤村。さらに、有島武郎、小山内薫……(22頁)。小学四年生の頃になると、神田の古本屋で二時間かけて本を見ることが、学校帰りの楽しみに。神保町の一角にあった巌松堂の店内では、いま自分が、世界一の知識の宝庫に立っているように感じられた(61頁)。読書家としては、俊輔氏の小学校を出るまでに1万冊以上2019/03/21

trazom

29
これはいい本だ! 鶴見俊輔さんの人生と業績が見事に描写されている。私は、ベ平連のあり方等を含めて、鶴見さんとは、少し考えが異なる。それでも、知の巨人としての鶴見さんを心から尊敬してやまない。何より、鶴見さんの心の広さに敬服する。その広さが「思想の科学」に数多くの有為の才能を惹きつけた。昨今、社会が益々、不寛容で排他的になっているだけに、鶴見さんの包容力が輝いて見える。著者の黒川創さんも秀逸。文中で「私の父親は北沢恒彦である」と告白しておられるの読んで、卒倒した。「そうだったのか!」…すべてが腑に落ちた。2019/02/07

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