内容説明
ヴェネチア、カッセル、シンガポール、光州、ロンドン――。宇和島を拠点にアートの都を駆け巡り、雑踏の片隅に埋もれた「ナニカ」を網膜に焼き付け、誰も見たことのない「ナニカ」を生み出す圧倒的想像力! その源泉はどこから来るのか? 言葉の軌跡とカメラの視線で、この5年間に駆り立てられた衝動をたどるエッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kana0202
1
途中までよんだ。大竹伸朗の文章はおもしろい、文章がうまいと言うわけではないが、言葉の使い方がとても面白い。たとえばコラージュが触覚的であるとか、絵との距離感であるとか、気配に浮遊感を感じるだとか。彼特有の嗅覚によって日常に溢れるアート感(積極的な浅薄さを肯定すること)が発見されて、読者もそれを共有できる。ただいかんせん、編集の方法がつまらない。文芸誌に掲載されたエッセイを集めただけのこの本は、すごく飽きる。たまに眺め読む分には楽しいが、読ませる力はない。これは編集の問題。魅力的な所になる可能性を秘めた本。2021/11/24