ハヤカワ文庫JA<br> ヒト夜の永い夢

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ハヤカワ文庫JA
ヒト夜の永い夢

  • 著者名:柴田勝家【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 早川書房(2019/04発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784150313739

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内容説明

紀伊の生みし知の巨人、南方熊楠。彼と昭和考幽学会の出会いが、粘菌の宿った美しき自動人形を誕生させる。一大昭和伝奇ロマン!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

72
昭和前期オールスター登場 主人公は南方熊楠 他に、宮沢賢治、江戸川乱歩、植芝守平、石原莞爾、北一輝 作者、興味のある人全部盛り? SFというかファンタジー。大作。所々面白いんだけど。特に後半3分の1は。 まあ、面白かった本に入れておこう2024/07/07

いちろく

43
並行世界の昭和初期を舞台に、死体をベースにした自立思考型からくり人形である天皇機関巡る物語。南方熊楠を主人公に、千里眼に関わった福来友吉、人形の核である粘菌を提供する宮沢賢治、探偵として江戸川乱歩、をはじめ実在の人物が多数登場。人形の開発が日本歴史に残る大事件へと繋がる壮大な世界観の内容。哲学的でありながら阿呆であり、阿呆でありながらも哲学的な展開が続くラストへの流れが、濃いエンタメSFとして面白かった。夢と現の物語でもあったと。2019/09/14

geshi

35
これは一両日で読み終えて正解。読んでいる間が、まさに絢爛豪華で陶酔してしまいそうになる一夜の夢のような読書体験だった。伝奇ものの美味しいところである「あの著名人が」の大風呂敷をしっかり広げ楽しませてくれる。事態が混乱を極め時代が戦争に向かっていく中であっても、お祭り騒ぎのような底の抜けた狂想感でエンタメとして突き通す。粘菌コンピュータ・不確定原理・知覚と世界、SFガジェットを縦横に用いて「あったかもしれない世界」を見させてくれる。そして読後の寂しさもまた、儚い夢のあと。2020/05/21

Yuki

30
昭和初期、在野の博物学者・南方熊楠や千里眼事件で学界を追われた超心理学者・福来友吉などアウトローな天才たちが「昭和考幽学会」という秘密団体に結集して「天皇機関」なる自動人形を作る、という伝奇SF。史実を織りまぜエンターテイメントに徹する描写に大塚英志や京極夏彦のようなエッセンスを感じ、夢と現実が交わるめくるめく世界は今敏の「パプリカ」のような極彩色のイメージ。とてつもなく、楽しかった。2019/06/06

かわうそ

30
南方熊楠を中心として、江戸川乱歩、宮沢賢治、北一輝といった実在の人物たちが複雑に交わる中に、自動人形、天皇機関、粘菌コンピューターといった魅力的なワードがちりばめられた全部乗せ伝奇SF幻想小説。要素が多くて展開も早いので密度が半端ないことになってます。全体的に演劇を見ているような一歩引いた視点の感覚が印象に残る。見た目は懐かしい雰囲気だけど、SF部分は今っぽい感じなのも面白かった。2019/05/20

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