内容説明
“助けて。一生のお願いだから”夜明けの牛丼屋。バイトの岩田が眠気と戦っていると、派手な女が転がり込んできた。懇願する彼女に一体なにが!?(「四百三十円の神様」) 動物病院に立派な刺青を入れた老人がやってきた。クセのある彼は弱った拾い猫を次々と連れてくる。だが、彼は急に姿を見せなくなり、心配した獣医が彼の家を訪ねると!?(「いれずみお断り」) 心を揺さぶる、注目女性作家の珠玉短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふじさん
102
好きな三作品。表題作「四百三十円の神様」は、大好きだった元プロ野球選手を主人公にしたひと騒動を面白可笑しく描いた作品。「いれずみお断り」は、元ヤクザの巳之吉と動物医の亮平との思わぬ出会いと別れを描いた切ない作品。「鍵は開いた」は、刑事と泥棒とのやり取りが心憎いし、鍵にまつわる出来事が読ませる。今の世で、居場所や役割、役目等、自分の存在意義を見出せない人々のために、他者や自分自身の外側と繋ぐ接点を作り出すことを狙って物語を紡いでいる感じがする。そのことが優しさ持った作品作りに繋がっていると思う。2022/12/19
mr.lupin
54
加藤元さんの著書二冊目読了。著書の加藤さん、男性かと思っていたら女性だった。そんな加藤さんの七編からなる短編集。どの作品も割りと淡々と話が進み、今一つ盛り上がりに欠けてるような印象だった。それにダメ男ダメ女の、暗い話が多かったような。そんな中で表題作の「四百三十円の神様」は、自分の好みだったかな。また他の作品に期待をしたい。☆☆★★★2021/03/28
Shoji
52
7篇の短編集です。登場人物の心情の描写がとても素敵で、心に染み入るいい物語ばかりです。特に親子など、家族の関係をめぐる心の移ろいの描写に引き込まれました。『四百三十円の神様』、『あの川のほとりで』、『いれずみお断り』、『鍵は開いた』が良かったです。2019/06/21
papako
51
残念、合わなかった。2020/07/02
ぷりけ
50
本屋でおススメしてあり手に取った作品。解説に書かれていた『大人のおとぎ話』というフレーズがしっくりくる。気付きと温かい視線がつまった短編集でした。また、その視線も独特で、ユーモアもありところどころ笑わされた。読んだことのないタイプの作品でした。他の作品も追いかけたいくらい当たりでした。2019/10/24
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