内容説明
ある日突然、世界のすべてが変わる。
蜘蛛女、巨女、シマウマ男に犬人間……地球規模で新たな「進化」が始まる。
小説界を震撼させた、芥川賞作家の驚異のデビュー作。
解説・椹木野衣
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
らむり
47
グロいとか気持ち悪いとかより、とにかく発想のすごさに感服。これからも追いかけたい作家さんの一人。面白かった。2015/01/23
ω
42
ぬはははω 萬壱先生にすっかり慣れっこの私は大変面白く読ませて頂きました。鋏のない緑の巨大蟹オバケが世界を支配するディストピア小説!怖いときは直腸を出しましょう!!クチュクチュクチュクチュクチュクチュ……2023/08/11
はらぺこ
39
『デビルマン(漫画版)』とか『ベルセルク』とか『進撃の巨人』みたいな世界をイメージしながら読んだので訳が分からん話の割には読みやすかった。しかし、作者が何を言いたかったのかは自分には分かりませんでした。2016/11/10
いたろう
37
元人間達が次々に飛び込んで巨大化した「集合体」がクチュクチュと音をたて、バーンと爆発する――。突然始まった人間の「進化」。脇腹からたくさんの足が生える、鱗が生える、体半分が動物やモノと同化する、原形をとどめない変態、巨大化、極小化・・・、そして死。あまりにグロテスクな描写。世界の終末に向かい、一片の救いもない。人はどこまでいくと、何を失くすと、人間としての尊厳を失うのか。外見なのか自我なのか。昔の筒井作品を彷彿させるが、筒井作品と違って、何かのメタファーや風刺を感じさせない。それだけに純粋に恐ろしい。2014/03/02
MATHILDA&LEON
30
ただただ圧倒的な世界観を持った作品。読むのを何度もやめたくなるほどの絶望的な展開が繰り広げられる。あまりにも非日常的な出来事でありながら、そこにいる人々は実にリアルだ。生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされた時の、人間という生き物の醜悪さや残酷さをまざまざと見せつけられる。誰かを殺してでも自分だけは生き残りたいという欲は、しかし、悪いと簡単には言えないのではないか。自分がもしその立場になったら…深く考えさせられてしまった。2016/11/10