岩波新書<br> 変えてゆく勇気 - 「性同一性障害」の私から

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岩波新書
変えてゆく勇気 - 「性同一性障害」の私から

  • 著者名:上川あや
  • 価格 ¥858(本体¥780)
  • 岩波書店(2019/05発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004310648

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内容説明

幼い頃から自分の身体に違和感をもっていた著者は,27歳のとき「男性」として生きることをやめ,やがて「女性」として暮らすようになった.今,さまざまな困難を抱える人々の声を聴き,見過ごされがちな問題を可視化するために発言を続ける.誰もが自分らしくのびやかに暮らせる「寛容な社会」を創るための熱いメッセージ.

目次

目  次
   はじめに──いくつものボーダーを越えて

 第1章 「私の戸籍は男性です」──政治家になった
  1 顔を見せて訴えなければ
  2 手探りの選挙活動
  3 変わってゆく街の空気

 第2章 私は誰?──性を見つめて
  1 仲良しは女の子
  2 第二次性徴
  3 孤独感と罪悪感の中で
  4 サラリーマン時代
  5 「もうごまかせない」

 第3章 性を移行する──居場所を探して
  1 初めて仲間に出会う
  2 性を移行する
  3 「女性」としての暮らし
  4 社会保障制度が使えない
  5 司法への絶望

 第4章 性別変更に道を拓く──「性同一性障害者特例法」の成立をめぐって
  1 議員立法の知らせ
  2 国会のルール
  3 特例法の成立
  4 なお残る課題

 第5章 ちいさな声、声にならない声──当事者のニーズを掘り起こす
  1 「常識」を疑うことから
  2 一万五六〇〇人の「外国人」
  3 七〇〇人の「オストメイト」
  4 ひとり親家庭の実態
  5 要約筆記と手話
  6 失語症会話パートナーの養成
  7 バラバラの「点字ブロック」
  8 政策決定の現場で

 第6章 沈黙から発言へ──「変える」方法
  1 沈黙は「存在しない」こと
  2 自己肯定感をもつ
  3 確実に声をとどけるために
  4 権利意識の危うさ
  5 嫌がらせに負けない方法

 第7章 「フツウ」って何だろう──寛容な社会とは
  1 ボーダーライン、この恣意的なもの
  2 性的少数者のいま
  3 「フツウ」って何だろう
   あとがき
   ◆もっと詳しく知りたい人のために

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Pure

28
涙を流しながら自己の体験を語ってくれた上川さんの講演を聞いた時の熱い思いが冷めないうちに読みました。寛容な社会、他者への想像力が豊かな社会を望みます。多数派と少数派なんて連続する変化に過ぎないはずなのに、ある一点から差別対象となる不合理さ。そして自らの中にも典型的ではない部分なんて誰もが持っているはずなのに「フツー」でないと後ろ指を指す情けなさ。行政施策を求める効果的アプローチの指南も面白い。それと共に立法も妥協の産物であることが良く分かる。世の中の仕組みって面倒だな。2018/02/18

椎奈

19
≪2014.0511図書館本≫こんなに読んでて面白くて、頁が進む新書は初めて。「出たほうがいいという気持ちが常に50%超えているんだから」という言葉が決意なのて印象に残っている。上川さんが街頭演説で経験したことや当選したときの様子、家族や友人の言葉などには涙が出た。上川父の「お前も友達も幸せになれるように」という言葉。こう家族に応援されたらどれだけ嬉しいだろうか。これから上川さん本人にお会いする機会がある(はずだ)し、カストロにも行くのでジェンダー関係の知識をもっと深めていきたいと思った。2014/05/19

みどるん

7
男性としても女性としても社会経験を積んでいる人は滅多にいない。苦労の中でも行動を続けることで実る精神に男女の別はなく、この人は純粋に尊敬できる人だと思う。社会は「堂々としている人」をポジティブに受け止めるというだけのあやふやなもので完全に排除されることはないのかもしれない。2014/07/30

Nori

5
読んで良かった。上川さんが自分自身の性に違和感を持ち、葛藤しながら過ごしてきた男性としての性、そして「性同一性障害」ということばを知るまでの長い軌跡、ひとつひとつ丁寧に書かれていた。女性としての性を生きる決断をされ、議員とて、オストメイト(人工肛門、人工膀胱の使用者)、ひとり親家庭、中途失聴者など、ちいさな声を拾い、集めながら、「寛容な社会」を目指して働いておられる。多くの人がこの本を読んだら、何かが変わると思った。2013/06/25

Toshi

4
多様性を認める社会はつくづく大切だと感じました。既存の社会認識で普通と認定されていない少数者はいかに声をあげにくいか。またそうした立場に立って物事をみる難しさ。性同一性障害の著者が自分が何者であるかをみつけるために、新宿二丁目に行って歩いてくる男性に「友達になってください!」と声をかける件は身につまされました。文章もよくて多様性を考えるにとてもよい本です。2020/03/11

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