内容説明
啓典の民,離散の民,交易の民,さまざまな呼び名をもつユダヤの人びと.苦難の歩みのなか,深遠な精神文化を育む一方,世を渡る現実的な悟性を磨いてきた.歴史をたどりながら,その信仰,学問,社会,文化を知る.
目次
目 次
はじめに
序 章 ユダヤ人とは誰か
ポーランドにて/ 「真正のユダヤ人」
第1章 歴史から見る
第1節 古代のユダヤ人たち
イエスの出現をどう捉えるか/賢者輩出の時代/啓示法の宗教
第2節 イスラム世界からヨーロッパへ
忘れられた歴史を補う/イスラムとともに/啓典の民/地中海社会での繁栄/アルプスを越えて/スファラディとアシュケナジ/レコンキスタとスペイン追放/新キリスト教徒の再改宗/安住の地ポーランド/シュテットルの生活
第3節 国民国家のなかで
メンデルスゾーン/フランス革命の衝撃/われわれは何者か?/ポグロムの恐怖/アウシュヴィッツへ/世界帝国の興亡とユダヤ人/ 「ユダヤ人」という選択肢
第2章 信仰から見る
第1節 ラビ・ユダヤ教
ユダヤ教は宗教なのか/ユダイズムとユダヤ教/ユダイズムとは何か/持ち運びのできる国家/二重のトーラー/ラビたちの決断
第2節 ユダヤ教の根本原則
トーラーに従って生きる/神殿の供犠/シナゴーグの礼拝/シュマアの朗読/十八祈祷文、十戒、六一三戒
第3節 神の時間秩序
安息日/一年のサイクル/一生のサイクル/祈りの生活/制度化された断食
第4節 「宗教」としてのユダヤ教
東欧における神秘主義の浸透/近代のユダヤ教再定義/世俗化したユダヤ人と民族主義/二つの定義・三つの集団
第3章 学問から見る
第1節 タルムードの学問
トーラーの学習/イェシヴァ/タルムードの普及/タルムードのテキスト
第2節 論争と対話
師匠への奉仕/モーセに基づかせる/矛盾をぶつけることの真意/ラビたちの議論
第3節 ユダヤ哲学
ギリシア哲学による挑戦/イスラム世界のギリシア哲学/哲学者マイモニデス/律法典の形成/ 『シュルハン・アルーフ』による統合
第4節 ユダヤ精神の探究
東欧の肥沃な精神世界/ヴォロジンのイェシヴァ/エリ・ヴィーゼルと二人の師/学ぶことは生きること/正真正銘のラビとの出会い/世俗教育との両立
第4章 社会から見る
第1節 ユダヤ人の経済活動
商業と金融の民/利子取得の正当化/マルクスの主張/利子取得の二重基準/ロスチャイルド家
第2節 ユダヤ人の人生の目標
神に選ばれた民/ノアの七戒と十の心得/慈善と慈しみの行い/施しの八段階
第3節 近代メシア論
二つのメシア論/シオニズム/離散ユダヤ人は捕囚民か/ユダヤ的百家争鳴
第4節 ユダヤ社会の現実
ヘブライ語の蘇生/混合婚をめぐる議論/二極分化するユダヤ社会/イスラエル社会の現実/イスラエル国家のゆくえ/棄民の視点から
文献解題
歴史について/ユダヤ教について/ユダヤの宗教思想について/ユダヤ思想史について/トーラー註解について/タルムードについて/ユダヤ百科事典『ジュダイカ』
あとがき
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夜間飛行
旅するランナー
(haro-n)
佐島楓
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