内容説明
十字軍、ロベスピエール、レーニン、スターリン、劉邦、朱元璋、毛沢東……。歴史上の名だたる権力者たちは、なぜ多くの人命を奪ったのか? 彼らの凶行を「残酷だから」のひと言で片付けていいのか? 本書では、彼らが手を血に染めた経緯を追いながら、16の「歴史法則」と12の「粛清の論理」を抽出。大規模な粛清事件の背後にある論理と、血なまぐさい事件を通じて見えてくる歴史を動かす法則をまとめました。歴史上の粛清事件を軸に、歴史・人間社会のあり方・日本人が向き合うべき民族性の違いを浮き彫りにする、世界史の鬼才・神野正史の野心作。
粛清の論理1
中国では、粛清は“陣痛のようなもの。この“産みの苦しみを乗り越えなければ「繁栄期」は生まれない。
粛清の論理2
あまりに功績が大きいと主君に恐れられ、殺される。中国では本人ではなく一族郎党皆殺し(族滅)にされる。
粛清の論理3
ひとたび権力を手に入れた者はこれに執着するあまり、疑心暗鬼に陥る。「殺らねば殺られる」という切迫感が粛清を生み、粛清は更なる粛清を呼ぶ。
粛清の論理4
外敵の存在だけが粛清を抑える。したがって粛清を抑えたいときは外敵を残す。なければ作る。
粛清の論理5
下賤の身から成り上がった者は、カリスマ性のある人望高い者が多いが、天下人となった途端、人が変わったように凄惨を極める大粛清を行う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
鯖
17
河合塾世界史講師によるお腹いっぱい世界史粛清史。まあ、そんなに特別なことは書いてなく、中国ロシアカンボジアフランス等等普通に粛清の歴史なんだけど、大陸やヨーロッパに特有なものという記述が目立ってて、そうかなあと疑問には思った。親鸞の、誰でもそういう立場になったら何百人でも殺す。殺してないなら、たまたまそういう立場になかっただけというやつ。まあ、日本は島国だから人口も範囲も限られるから、大規模な粛清になりえないというんなら、そりゃそうかもしれないけど、人間そんなに変わらないからさ…。2019/08/24
crr(月雄
7
☆5 A 粛清というテーマを基に各国の成り立ちを追っていく内容。面白いと感じた点も多く、夢中になって読む事ができた。インディアンの描写や十字軍の描写など、西欧各国の人間は悪魔かと思う。人間はなんと残酷なのか?世界はなんて残酷なのか?こういう感覚は『ジェノサイド』以来の衝撃。しかし、それに対してもっと知りたいと思ってしまっている自分に対して、人間の怖さというか自分の中の残酷さに対する怖さを感じた。2018/12/10
金吾
6
日本史にはほとんどない粛清から見た世界史で、特に中国と白人に焦点を当てています。大きく一連の話に触れており読みやすい本です。習近平の中国を念頭に話を導いています。2020/03/21
俊毅安村
2
専門的な歴史本としてではなく、大学受験位の知識から少し掘り下げたり、面白く覚える読み物としては、良いかもしれませんが、勢い優先の印象を受けました。 中国、欧州、現代中国と粛清から歴史を語るという視点そのものは面白いですし、中国では、旧政権関係者を一族丸ごと皆殺しを図る族滅をしてみたり、新たな皇帝が生まれれば共に頑張ってきた家臣を殲滅したり、欧州では宗教的な殺戮、ポピュリズムや社会主義による殺戮など枚挙に暇なしになりますが、人種差別を民族性の一言で全て片付けようとしたり大雑把な部分が多いかなと感じました。2018/12/30
オールド・ボリシェビク
1
ヘイト本かと思ったがさにあらず。中国、フランス、ロシアの粛清の歴史を辿り、教訓を学ぶ。著者は予備校の先生。だからわかりやすいのか。2018/10/15
-
- 電子書籍
- 終末世界でレベルアップ【タテヨミ】第3…
-
- 電子書籍
- 【単話版】かつて夫婦だった恋人たちへ …
-
- 電子書籍
- 間違いだらけの恋〈【スピンオフ】親友の…
-
- 電子書籍
- 元末群像異史 紅嵐記(上) 講談社文庫
-
- 電子書籍
- 尋常小学算術 緑表紙 4上




