内容説明
枯れ木の中では多種多様な菌類による「陣地領地獲得合戦」が繰り広げられています。その様子はさながら戦国時代のよう。武将として登場する菌類には、シイタケのような立派なキノコを作る種類だけでなく、顕微鏡を使わなければ見えないようなカビもたくさんいるのです。ただし、カビといっても侮るなかれ。決して雑兵ではありません。そもそも、キノコもカビも同じ菌類の違う姿にすぎないのです。
本書では枯れ木に生息する菌類をすべて「木材腐朽菌」と呼び、森の枯れ木の中で彼らがどのような暮らしをしているのか紹介します。最近の菌類生態学の大きな進歩の一つに、キノコではなくその本体である菌糸の野外でのふるまいに関する知識が急速に増えたことがあげられます。本書では、こういった最新の研究成果を盛り込んだ菌類生態学の解説を目指しました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
21
#説明歌 カビキノコ菌類有性生殖と無性生殖別名があり 木材と腐朽菌類生活史ブナの原生林としいたけ2017/09/13
厩火事
6
若手研究者の書いた専門的なでもライトな森林微生物学の本です。最近この手の本増えていますね。内容としては深からず浅からずちょうど良かったと思います。本の中に登場する著者の妹さんのイラストがいいです。2018/01/11
mft
5
枯木に生えたキノコは1本に1種類しか見ないような気がしていたが、実は木の中で複数の菌類が競争しながら枯木の分解が進んでいくというもののようだ。そんな木材腐朽菌の色々な側面からの分類やら、分解の時間推移につれての役割の移り変わりやらを解説してある。面白い分野だ2025/05/11
やま
5
木が死んでからどのように、朽ちていくか。ちょっと難しい部分もありますが、比較的分かりやすく書かれています。目からうろこ的な部分も多く、枯れた木の中での菌類の状態が理解できます。枯木から出てくるキノコの見方が少し変わりました2017/09/22
ぴょんpyon
4
木材腐朽菌と呼ばれる枯れ木を分解する菌(カビ・キノコ)について、基礎知識から最先端の研究紹介まで、分かりやすくまとめている。材分解の基礎を扱った章では生物名と酵素名のカタカナオンパレードに辟易する人もいるかもしれないが、そういうものだと割り切って読み進めてほしい。そうすれば、枯れ木の中で繰り広げられるダイナミックな菌たちの生存競争を感じられるだろう。160ページとコンパクトでありながら、おもしろいトピックが目白押しで、初学者であっても木材腐朽菌の魅力に引き込まれることは間違いない。2017/08/12
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