内容説明
紀元前3800年ごろ、メソポタミア南部に世界最古の都市文明を築いたシュメールの人々は、当時の思考や事跡などを粘土板に刻み残した。現代にも膨大に残されている粘土板に純粋な“数学文書”は極僅かしか存在しないが、行政や経済に関する文書には当時の数学的知識の様子を窺わせるものが多く存在する。この書籍は、それら粘土板を紐解くことで数学の源流に迫ろうという、世界初のシュメール数学に関する概説書である。
最初に、自然数・分数と小数・四則演算といった現代生活に於いても欠かすことのできない知識の起源を解説する。後半では、時間や角度と、それらにみられる60進法、方円の面積計算や円周率の起源のほか、約4600年前の人類が複利計算を行っていた可能性を示唆する粘土板を紹介する。粘土板一つひとつについて計算過程・思考過程を省略せず提示し、古代文明の息吹が感じられるよう丁寧に解説した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
48
最近ようやく古代ギリシアの数学の礎は古代バビロニアのそれであったというのが伝わりつつあるけれど、その古代バビロニアの数学もその前のシュメール人の基礎があってこそということを明らかにしてきた著者の新刊。60進数を10進表記にしてしまっている今までのこの手の議論では結局彼らの考え方はわからんから誤解も間違いも増えて頓珍漢になっちゃうよーと、60進表記をするのが潔くて素敵です。だが、確かにこれはなかなか腑に落ちないというか、あまりに10進表記に汚れすぎた現代人として泣きたくなるのですよ。2017/06/25
トムトム
19
これはこれは!面白かった!シュメール人への敬意と愛を感じます。有名な人が言っている事、昔から当たり前のように伝えられている事がちょっと考えれば違うって分かるじゃん!という本です。60進法は割り算をしやすい。60は1~6までの全部の数字で割り切れる。たまたま60進法なわけではなく、天才が考えに考えたすえの60進法!なるほどね~( ゚Д゚)2020/03/06
タカオ
13
興味を惹かれるタイトルだったが、ちょっと値段が高いと感じたので、できれば図書館に置いてないかと思ったら、置いてあった!先月出版されたばかりの、こんなマニアックな本をよく入荷した!内容は、たしかに意義はあるのだろうが、思ったほどおもしろくはなかった。専門的な内容をかなり一般向けに書かれているが、60進表記と見慣れない単位、(私たちからすれば)独特の表現法が、理解を阻む…。章ごとに内容がわかれていて、それがいいところでもあり、それぞれのつながりが薄いのが残念なところでもあった。角度の話はおもしろかった。2017/07/02
ソルト佐藤
6
この当たりの時代が好きなので読んでみる。基本的には数学のはなしなので60進法以外は、今と変わらない理屈がなのが面白い。かなり、高度の数学が発達していて面白い。それはそれとして、途中の作者の人生?を語るコラムがあるのだが、なかなかの性格である(笑 ロジハラで、粘土板の複利計算について、ちがった解釈をした人を追いつめるシーンは、どうなの?(笑 あと、こんな数学も分からないとは、文系学者どもは!な感がありありでまた(笑 読み物としては不十分で不親切なところもあり、理系どもはと文系の人は思うかも。2023/05/10
ほにょこ
4
★★★☆☆ 何千年も前の粘土板が残っていて当時使っていた数学の研究ができるとか驚きですね。このような研究の意義はよく分かりませんが。ある教授の間違いを指摘したら後で迷惑メールが大量に届いたとかどうでもいいエピソードも結構載っていました(笑)。2020/03/27
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