日本経済新聞出版<br> 平成の経済

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日本経済新聞出版
平成の経済

  • 著者名:小峰隆夫【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 日経BP(2019/04発売)
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  • ISBN:9784532358013

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内容説明

◆政策混迷が招いた熱狂、転落、苦闘――「経済白書」でバブル崩壊を分析、未曾有の事態に向き合い続けたエコノミストによる同時代史と次代への教訓。

◆1989年1月から始まった平成経済は、試練の連続となった。バブルの崩壊と不良債権問題、アジア通貨危機と金融危機、デフレの進行、人口減少社会への突入など、我々がこれまで経験したことのない難しい課題が次々に現れた。
これら課題への政策的対応については評価が分かれるが、著者は、必ずしも満足すべきものではなかったと考える。お手本のないこれら諸課題に対しては、どうしても実験的、試行錯誤的な対応にならざるを得なかった。こうした実験・試行錯誤は成功したとは言えず、デフレ問題、人口問題、財政・社会保障問題などについては、現在においても引き続き政策的対応が必要な状況となっている。
平成時代に直面してきた多くの課題は、未解決のまま平成後の時代に引き継がれる。その意味で、平成時代において日本の経済社会が直面してきた諸課題と政策的対応を振り返ってみることは、これからの政策的対応の道を開くという意味からも重要なことだと言える。

◆本書の特色はまず第1に、マクロ経済を中心に解説していることである。平成経済は、企業経営、産業・技術などの面でも大きな変転を遂げてきたことは明らかであるが、著者はこれまでほぼ一貫してマクロ経済の動きをフォローしてきたので、そこに集中することが比較優位と考えたからである。
第2は、単に事実を述べるだけではなく、多くの出来事の相互関係を明らかにし、できるだけストーリー性を持たせるようにしたことである。平成時代の経済に起きたことは意外な展開に満ち満ちており、実にドラマチックだ。そうしたエキサイティングな歴史の動きを描こうとした。
第3は、できるだけ政策的教訓を導き、後世の参考にしてもらおうとしている。そのためには、どうしても政策的評価が必要となる。評価を下すとなると、著者の価値判断が含まれることは避けがたい。このため、中立的な書き方にさほどこだわらず、率直に著者の考えを前面に出している。

※日本が、そして世界が激変した30年間を、知の巨人たちが検証し、未来を語る。『平成の政治』(御厨貴・芹川洋一編著)、『平成の経営』(伊丹敬之著)と併せた「平成三部作」の一冊。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

89
小峰先生の最新著書の「私が見てきた日本経済」を読んでいたら、この本についてかなり敷衍されていたので若干古いものですが読んでみました。バブルからアベノミクス(私はこの用語をあまり使いたくないのですが)について詳しく分析評価されています。とくに終章の「平成経済から何を学ぶか」が参考になりました。2024/06/09

Emkay

21
平成31年間の経済史を、①バブルの崩壊、②金融危機とデフレ発生、③小泉構造改革と不良債権処理、④民主党政権とリーマンショック、⑤アベノミクス、の5部に分け、丁寧に解説。走馬灯のように記憶が蘇るとともに、その時々の世論と経済実態との乖離について改めて教訓を得られる。必読書。著者は、増税や歳出減を伴う財政改革、特に社会保障改革が徐々に必要性を増しているにも関わらず、世論やマスコミはそれを真っ向から嫌い、政治家はそれを跳ね返して来れなかったことを指摘するが、短期的利益誘導の政策が好まれる傾向は弱まりそうにない。2021/03/28

かんがく

16
バブルからアベノミクスまでの平成経済について簡潔にまとまっており、とても読みやすかった。バブル再燃を警戒して対策が遅れたり、デフレが歓迎されたり、金融機関への公的資金注入や社会保障削減や消費増税への拒否感が強く抜本的な対策ができなかったりと、民主主義国家において長期的視野を持った経済政策を行うことの難しさがよくわかった。2022/11/03

cape

15
平成は、平静ではなく、劇的なイベントに溢れていた。振り回されながら、自らもかき乱してきたような政治の動きに、社会も揺れてきた。この物語には、様々な教訓も用意されている。ただ、社会はまた同じ過ちを繰り返すだろうことも示唆される。この経済史がとにかく面白いのは、物心ついた頃からずっと目の当たりにしてきた世の中の動きが、冷静に分析されて解説されているからか。バブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災。100年に一度級のイベントが続いた30年。そして、今私たちは令和のコロナ禍の中にいる。2021/01/10

よっしー

14
自分の人生の中でもとてもコアな時代である平成。本書によりマクロ経済という視点で令和に至るまでの大きな流れを理解できた。そんなこともあったなあと思い出すことも多いが、歴史の大きな転換点となったバブルの崩壊は忘れられない。バブルの規模、経済的背景、崩壊後の政策など含め、分かりやすく書かれており、流れのおさらいとして最適。単に歴史的事実を述べるに留まらず、様々な出来事の相関関係が示され、ストーリーとしてイメージできる。また残された課題もキチンと提示されており、今後の日本経済を考える上で参考になることも多かった。2021/12/18

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