毎日新聞出版<br> AI時代の憲法論(毎日新聞出版) - 人工知能に人権はあるか

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毎日新聞出版
AI時代の憲法論(毎日新聞出版) - 人工知能に人権はあるか

  • ISBN:9784620324661

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内容説明

人の常識や倫理を無視する「新たな知性」とどうつきあうか。本書は、2017年に毎日新聞労働組合主催で行われたシンポジウム「AIはトランプを選ぶのか~民主主義と憲法の未来像」がきっかけとなり誕生。憲法学者の木村草太・首都大学東京教授が編著者となり、作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏、山川宏ドワンゴ人工知能研究所所長と個別に対談し、大幅加筆で書籍化したものの電子版。「常識外れの人物」「これまで見たこともない技術」「信じられない出来事」が次々に登場する今、未知の存在は恐ろしく感じられる。そのためか、トランプ現象やAIについての議論は、悲観的なものになりがちだ。多くの人が、「AIが世界を支配するときがくる」「AIに人間の仕事が奪われ、大量失業時代がくる」「民主主義は終焉を迎える」「これからの政治は、人権や正義といった建前でなく、自国中心主義と差別への迎合の本音によって動いていく」といった議論を聞くことが増えたのではないだろうか。本書では、柔軟な思考に基づき、ディストピア的(ユートピア〈理想郷〉の正反対の社会)ではない、AIと人間とのつきあい方を論じ合う。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hk

21
2017年初頭に行われたシンポジウムの内容をもとに書籍化したもの。折しもトランプ政権が産声を上げたばかりであり、トランプ現象と足元のAIブームの共通項を補助線にして討論は進む。その共通項とは「トランプもAIも倫理的ではないが合理的。どちらも目的さえ与えてやれば、もっとも合理的な方法を選択する」というもの。例えばトランプであれば、集票の最大化という命題に沿うよう合理的だが倫理からは逸脱したやり方を選択したとしている。全体的に論点が上滑りしており、各論において雑学を得るのにはいいが総論で何かを得るのは困難だ。2019/05/01

なななな

15
AIとトランプと宗教など、多面的な議論が読める大変勉強になる本でした。しかも、この本の議論は難しいだけに、未来に向けて、ちゃんと早くからみんなで研究し、議論しなければいけない問題だと感じました。2019/07/31

GASHOW

7
木村さんはタイトルずばりAIを語りたいが、元外務省の佐藤優さんは宗教に詳しいのでそちらの切り口が語っている。むしろ人権には宗教観がベースとなっているから奥深かった。2019/05/06

templecity

7
AIが決定的に発展したのは何層にも重ねられた論理構造によるディープラーニングによるもの。猫を識別するようになったのは良く知られるエピソード。ディープラーニングは、統計的にそであろうという判断層を何層にも重ねて判断する。AIは憲法で権利を保障されるのか。 2019/01/30

6
読み慣れない分野なので読了まで時間がかかった。5割も理解できなかったかもしれない。 印象に残ったのは、「宗教的にも、法学的にも、『知性を示す』というだけで、AIを人間と同じように扱うことは危険です。佐藤さんが指摘するように、人間が特別なのは『知性があるから』ではありません。知性を権利主体の基準とする考え方では、知性による差別が正当化されてしまうからです。」と木村氏が最後にまとめた部分。具体的には277ページ〜のやり取り部分。 分野が異なる三者のやりとりに対して、最後に総括がありわかりやすかった。2020/06/23

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