内容説明
人生の四季を切なくあざやかに描く、高樹文学の最高傑作! 二度と会えない大切な人と、ほんの一瞬でも再び触れ合えたら……。「季語」を縦糸に、忘れられない人との邂逅を横糸に、幻想的に紡がれた24のストーリー。ほとほと/猫の恋/春の闇/エイプリルフール/翡翠/鳴神月/出目金/笹まつり/秋出水/月の舟/銀杏/牡蠣殻/寒椿/夜の梅/小町忌/帰雁/竹落葉/紫陽花/滝壺/星月夜/虫時雨/栗の実/身に入む/寒苦鳥
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
148
高樹 のぶ子は、新作中心に読んでいる作家です。歳時記の季語をテーマにした新聞連載連作短編集、帯の最高傑作までは行きませんが、ほとほととした佳作です。オススメは秋の季語、『月の舟』&『銀杏』&『身に入む』です♪♪♪2019/04/06
もえ
19
高樹のぶ子さんは、同郷の作家さんということもあり、毎日新聞に連載されていたのを、毎月楽しみに読みました。歳時記の季語をタイトルにしていて、新聞紙面一面くらいの長さの短編小説になっています。あの世とこの世が繋がっているような幻想的な物語が多く、タイトルにもなっている「ほとほと」などといった珍しい季語もあり、日本語の豊かさ、奥深さも味わえます。連載時にはカラーの挿絵もあり、それも楽しみの一つでした。単行本になるのを楽しみにしていたので、再読してみたいです。2019/03/24
スリカータ
17
二年に亘り連載された日本の歳時記に関連した短編集。エッセイを予想して読んだが、万話調で幻想的な創作で高樹さんの世界を堪能した。背中から栗の木が生える女の話が印象に残った。2021/01/31
わんつーろっく
16
歳時記の季語をタイトルにした一回読み切りで、新聞に掲載された短編集。ゆらりふわり、あの世とこの世を結ぶ夢幻の物語が2年分、真夏に一気読みするには勿体ないような、風情がなかったかな。心地よくさらさら、次から次へと流れるようにとどまるところを知らない読後感。2019/08/03
takaC
12
髙樹文学の最高傑作らしいのです。高尚すぎて難しい。2019/10/07