内容説明
兄王への謀叛を企んだとされ、追われる身となった季王韶(しょう)。名を秘し、張少子(チャンシャオツ)と呼ばれ、逃亡生活に入った。牛荘(ニュウチャン)で奉公をはじめ、お嬢様の趙小姐(チョウシャオチェ)と打ち解けるが、少子が正体を明かすと……。という直木賞受賞作の「張少子の話」ほか、妲己(だっき)・曹操など歴史上の人物を題材に、謀略・反乱・悲恋……、歴史を題材に虚実を取り混ぜて描く、傑作中国歴史短編7編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
100
直木賞】「張少子の話」は、チャンヤオツという主人公と張ニ(チャンアル)という二人の旅道中。視点が日本人が外国を見ている風でないので不思議に感じた。著者略歴を拝見すると、「生後3カ月でドイツにわたり、以来、天津、上海、青島の各地を転々として、昭和十六年に帰国。 」帰国子女の先駆け。2014/09/11
sa-ki
2
妲己、呂不韋、曹操のエピソードは有名なので、新鮮味はないかな。けれど、収録作が書かれたのは60~80年代。安西さんは中国物を書く女性作家の先駆者だったのね。「烏孫公主」は「風の王国」を思い出してしまう。表題作は、そういう歴史が本当にあったかのよう。2009/08/07
Hula
1
★★★★☆ 直木賞(第52回 昭和39年)「張少子の話」収録2015/09/19