内容説明
越前大野、姫路、越後村上、再び姫路、豊後、山形、白河……と、54年の生涯で、7度の封地替えを命じられた松平直矩(なおのり)。危うい藩財政を必死に切り盛りし、剛毅よりのん気、朗々と笑顔で宿運を甘受した、藩主と家臣たちの引越し人生を語るという傑作のほか、激動の戦国時代や江戸時代をはつらつと生きた武家の主従を描く、正統派時代小説短編10編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちぎもも
3
年代を追うようにして色々な武将や御館様や殿様が短編の形で栄枯盛衰が配されているが…表題作の「引越し大名の笑い」の殿様!焦らず気負わず素直を心掛け…妻を家臣を愛し…流されるのは簡単だけど、それとも違う。この時代に、なんて強い生き方をした人なんだろうと感じ入ってしまった。○2012/01/28
むん
2
この本のお侍はとてもセコい。信長の【詐術】や家康の【医者どの従軍記】など、現代のサラリーマンやヤー様と同じで悲しくなる。そんな中、蜂須賀彦右衛門と松平直矩の話に救われる。特に直矩が良い。この話を引き立たせる為に他の話をしたのではないかと勘ぐりたくなる。剛毅より呑気。随所に主となれば立所真なり、という直矩。現代のリーマンである僕も、長生きのために直矩を見習いたい。いづれ年月をあけて再読し、自分が呑気であるかどうか確認したい。2014/05/16
吃逆堂
2
久しぶりに読む歴史小説。ついつい自分の専門に近いと、違うと思ってしまったりするけれど、総じて面白く読めた。伊達政宗のと松平直矩のがいい。2009/09/25
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