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内容説明
天皇像は変わらないものを守るためにこそ、時代に応じて変化しなくてはならない。約200年ぶりの譲位実現に道をひらいた天皇の「おことば」は、単なる高齢化に伴う公務負担軽減の問題でも、ましてや一部保守派が言うような「弱音」や「わがまま」でもなく、女系・女性天皇容認や女性宮家創設も含めたこれからの象徴天皇制のあり方をめぐる国民への問いかけだった。戦没者慰霊や被災地慰問の旅を平成の象徴のスタイルとして生み出した天皇が、退位表明に込めたメッセージとは何か?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
60
天皇制を含めた日本の歴史と文化を振り返るきっかけとなった生前退位。鍵は「象徴」。公的行為の一端とのことだが、小難しい議論はさておき、頭に浮かぶ”巡幸”。被災地訪問におけるその唯一無二の存在意義。平成四年の訪中も印象的。何故か?理屈ではなく、お2人が他者に齎す精神的安らぎや温かみ。これが平成両陛下が体現した「象徴」の解ではなかろうか。一方、政局とならざるをえない面も否定できないが、退位政局と靖国神社の件は、少々著者が感情的かもしれない。興味深いのが、新旧皇室典範の継承規定の件。策士(誰?)が策に溺れた感。 2019/05/14
おさむ
34
毎日新聞論説委員による天皇論。やや観念的な表現が目立つものの、トリビアも多く、なかなかの良書です。とりわけ退位政局を描く第2章が興味深い。改元のタイミングを抜きあうメディアの攻防、安倍政権と日本会議の蜜月と軋轢などはよくまとまっている。第3章の靖国神社と皇室の対立は、思わず目を覆いたくなる泥仕合だ。驚いたのは、共産党の野坂参三や宮本顕治ら歴代幹部も長州閥という事実。右から左まで網羅する尊皇観は理解に苦しむ。2019/05/16
おおにし
18
昭和天皇は好きな点嫌いな点どちらもあって強い興味があったが、平成天皇は昭和天皇に比べて印象が薄かった。しかし、国民の人気は高く天皇を否定的に語る人は皆無であったのが不思議であった。この本で平成天皇が在位30年で完成させた象徴天皇制についていろいろ知ることができ、人気の秘密がわかったように思う。天皇家は象徴天皇制という生存戦略を成功させたが、男系男子継承という次のハードルを乗り越える必要がある。令和時代に皇室がどのように変貌していくのか楽しみである。2020/04/20
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
8
天皇の正統性が「皇祖皇宗」から「大衆からの同意調達」に変わったというのが著者の結論である。しかし本の話題が、日本会議的保守の暗中飛躍や靖国神社の内紛、今もある長州閥などに大きく振れて、本の内容に捉え所がない印象を受ける。情報は多いが、「天皇論」としては面白く無いし、内容が薄く感じた。この本と同じく新聞記者による、「皇室の風」(岩井克己著)と比べると、後者の方が得るものが多かった。2020/01/20
やす
7
平成天皇が先の大戦をどれだけ深く反省し、象徴としての天皇像を築き上げるためにどれだけ頑張ってきたかがわかる。天皇制への国民の好感は、ひとえに平成天皇の努力によるものだと改めて感じた。素晴らしい天皇の後で、現天皇も大変なところが多いと思うが、頑張っていただきたい。天皇と永田町との争いについて書かれていたのも興味深かった。天皇の政治的発言が憲法で制限されているのをいいことに、政府が天皇を政治的利用するのは許されない。2019/06/11
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