内容説明
移民で出生率が上がったドイツ、
「親になれない」フランスの若者、
数よりも子育ての「質」が議論されるイギリス・・・・・・
新たな課題に直面する欧州各国の動きを学び、日本が進む道を探る。
◆日本では人手不足の影響から少子化対策が叫ばれ
「働き方改革」や「女性の活躍推進」が話題を集めているが、
現実の対策は各企業や個人の裁量に依存しているところが大きい。
無償の教育、未婚でも充実した子育て環境など
少子化対策の「お手本」として注目を集めてきたフランスは、
ここ数年で出生率が減少していた。
背景には、フルタイムで働く女性の増加や学業の長期化、
若年男性の失業が影響している。
フランスだけではない。
欧州各国では新たな課題が生まれていた。
例えばドイツでは、出生率は増加したものの、
新生児の25%の親は外国人だった。
社会保障の恩恵を受けるのは誰なのか、国内で議論が進んでいる。
日本に先駆けて動く欧州各国の最新の少子化事情を、
豊富なデータから読み解いていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
那由田 忠
14
あまり読んでいる人がいなけれど、少子化への対策を考える上では参考になることが多い。特に素晴らしいアイディアが出ていないが。フランスが歴史的に少子化対策を追求してきたことについて詳細に説明される。専門書にしか書かれないことを易しくまとめているので、この部分がすばらしい。スウェーデンの説明がもう少しあるべきだし、日本に必要な政策について十分でないかなとは思うが、少子化対策に関心があるに人はぜひ読んで欲しい本である。2020/01/18
ののまる
8
日本は「少産少死」から「人口減少社会」へ。フランス・ドイツなどの出生率アップは、外国人母(移民)が生んでいるが、さて日本はどうする。2019/08/13
hiyu
7
著者の考え、提案についてその是非はともかく、少子化の現状やフランス等の外国の状況が良く理解できた。フランスの状況は意外といえば意外であった。数字だけをみてもわからない状況も垣間見えたし、社会に携わる者すべてが、その立場でその対策を行うものだと理解できた。2020/02/17
犬養三千代
5
少子化の問題点とフランス、ドイツ、イギリス、スウェーデンの現状を描く。日本の問題点も。子供を持つことは大きなリスクだ。義務教育費をいまさら無償にしてもだ。以前読んだ韓国の受験競争を思い出す。 少子化を織り込んだ政策が必要だと思った。2021/01/03
マネコ
5
国が成熟すると少子化になるのはどこも同じようですが、フランスやスウェーデンなど保証は厚く国全体で子どもを育てようという国は若干ですが高い出生率を維持しています。出生率について歴史を踏まえて各国の状況を踏まえ日本だけではない視点が得られる一冊です。2019/11/12