集英社新書<br> マラッカ海峡物語 ペナン島に見る多民族共生の歴史

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集英社新書
マラッカ海峡物語 ペナン島に見る多民族共生の歴史

  • 著者名:重松伸司【著】
  • 価格 ¥913(本体¥830)
  • 集英社(2019/04発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087210712

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内容説明

ベンガル湾を内海のように抱えるインドと東南アジアには、どのような文明が形成されてきたのか――。本書が注目するのは、マラッカ海域北端に浮かぶペナン島。淡路島の半分ほどの面積しかないこの小島に、これまで、実に30以上の民族集団が、絶妙なバランスで群居し続けてきた。マレー人、インドネシアの海民アチェやブギス、インドのチェッティ商人、ムスリム海商チュリア、クリン、アラブの海商ハドラミー、ポルトガル人、イギリス人、フランス人、アルメニア人、華僑、日本人、等々――。各地で、ナショナリズムや排外主義的な価値観が増大する中、本書が提示する世界像は、多民族共存の展望と希望を与えてくれるだろう。人間は、共存可能だ――と。ベンガル湾からマラッカ海峡にかけての地域研究の第一人者による、初の本格的な「マラッカ海峡」史。

目次

はじめに
第1部 海峡の植民地ペナン(序章 海峡を掘り起こす
第1章 租界・居留地・ジョージタウン
第2章 海峡とモンスーン
第3章 海民と開拓者
第4章 居留地ジョージタウン誕生
第5章 居留地ペナンの誕生)
第2部 海峡を渡ってきた人々(第6章 変貌するペナン
第7章 シントラ、ポルトガル人街から日本人街へ
第8章 マラッカ海峡のアルメニア社会
第9章 華人街の頭目
第10章 ベンガル湾を渡ったインド人)
おわりに
文献リスト
マラッカ海峡・ペナン島・ベンガル湾略史(1750~1910)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

72
マラッカ海峡の北の要衝ペナンは、自分のイメージとしてはマレーシアの輸出工業化の島というイメージだった。本書は近代ペナンのイギリスによる支配と、その下で活動する様々な人々を、ベンガル湾や中国とのつながりを押さえながら、ミクロな視点から解き明かしている。その「複合社会」の成立の中で、イギリスがかなりの「放任」な支配を行った様子が分かる。先に読んだ『海の帝国』がマクロな視点であるのと対照的だが、ある意味観ているものは同じなので、両者を併読すると補完し合い、近代東南アジアの姿が立体化すると思う。面白かった。2022/04/26

MUNEKAZ

14
マラッカ海峡の要衝ペナン島にフォーカスし、東南アジアの近代を描く。ベンガル湾交易の拠点として、またイギリスの海峡植民地の要所として、多くの民族が共存する往時のペナンを、著者は「ゆるやかなスミワケ」と表現する。ペナンに集まった多様なエスニックグループの来歴を描いた2部が読みどころか。マラッカ海峡という海のバイパス沿いにあるドライブインに集った人々の群像が楽しめる。もともと「無主の地」だった島をイギリスが開拓したため、他の地域のような原住民との軋轢が無かったのが、ペナン流の共生社会を生んだポイントだと思う。2023/04/18

ジュンジュン

12
インドとアジアを繋ぐ細長い回廊・マラッカ海峡。この交通の要衝を扼する為、イギリスは北からペナン、マラッカ、シンガポールに拠点を築いた。「マラッカ海峡物語」…なんと魅惑的なタイトルか。中公新書の「物語」シリーズをつい連想してしまうが、全然違った(笑)。北端に位置するペナン一択!それも1786年ペナン上陸から1910年辛亥革命前夜までというピンポイントさ。さすがにマニアックすぎるやろ。2024/05/08

とんこつ

9
ペナンの歴史を概観でき、マラッカ海峡のダイナミズムを感じられる一冊。マラッカ海峡には、時期によってモンスーンが北東と南西から吹き込むのだが、それがこの地にどれほど豊饒な文化をもたらしてきたのかと、とても感慨深く思った。ペナンがインドと中華という巨大文明の影響下にあることはよく知られているが、実はアルメニアやアラブの行商人たちとも深いゆかりを持つ。もちろん大航海時代以降のイギリスの植民地支配、明治以降の日本の進出・支配の痕跡も残る。重層的な歴史を持つペナンと、ロマンあふれるマラッカ海峡へ俄然興味が湧いた。2021/10/06

寝落ち6段

7
マラッカ海峡はどうして要衝になったのか。地図で見ると、確かにこの海峡を通ると、すぐにベンガル湾に行き来できる。この海峡に、東インド会社に開拓されたペナン島という島がある。東インド会社により占有されていたのではないかというイメージあったのだが、驚いたことに国際色豊かな島であったようだ。副題にある「多民族共生」の世界だ。世界は国際化の途が激しい。お互いの民族性を尊重しながら「ゆるやかなスミワケ」をしていくことがいいのかもしれない。2019/04/28

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