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内容説明
高度経済成長を支え、高い技術力を賞賛された日本の中小企業。だが、近年は急激な人口減少や中国・アジアとの競争などで、苦しい状況にある。既存の企業は後継者不足に悩み、起業の件数も激減している。一九八六年に約八七万あった製造業事業所は、この三〇年のうちにほぼ半減した。こうした状況に突破口はあるのか――。現場主義を貫く経営学者が、豊富な事例を通して、課題と今後の展望を論じる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
92
最新の資料に基づいた日本の中小企業論です。最初に一般論としての日本中小企業の現状を統計的資料により分析しておられます。中小企業数はあまり変わらないのでしょうが、製造業自体が少なくなっている現実があるということなのでしょう。ここはやはり問題となるところですべての企業ではなく、その技術や知的財産権を持っている企業をどのように事業承継させていくかが今後の論点となっていくのではないでしょうか。一般論のほかはかなり具体的な企業の例で参考になります。ただ新書なのである意味限られたページの中での議論となっています。2018/02/06
James Hayashi
27
一橋大名誉教授(経済)、17年著。 楽天、ソフトバンクなどの例外もあるが、日本の企業数の減少、起業の少なさ、事業継承者の不在など、数えると問題は山積み。幾つかの成功例や魚商関連のビジネスを紹介しているが、漁獲量の激減も日本のビジネスへ多大な影響を及ぼす。人口が減ればマーケットが縮小する。進化しなければ(日本企業は進化していない)世界で勝ち抜くことはできない。種を植えなければ実は育たない。今、種を植えずいつ行動に出るのか?2020/07/20
かごむし
23
これからの中小企業が、「中国・アジア」「IT」「高齢で、豊か」「環境」という多元的な課題に直面する中で、どのような経営を行っていくべきか、というのがテーマである。非常に豊富な実例とともに、著者の考察でまとめあげられており、中小企業の最前線というものを肌で感じ取れる。また、戦後から今日まで、日本という国を支えてきた産業というものを間近に見ることができたのも一つの収穫であった。多くの成功談は、読み物としても元気のわいてくるものだったが、裏返すと、そこには現代における、成功することの困難さも読み取れるのである。2019/11/11
Francis
15
東京経済政策研究会の課題本。少子高齢化社会、と言うよりも人口減少社会で起業マインドが停滞しつつある中での中小企業の成功事例を集めたもの。批判はあろうが、右肩下がりの人口減少社会でこれまでの経済成長が当たり前の時代の成功事例が通用しなくなり、新たな成功事例が求められる中、著者が日本全国のあちこちを歩きまわって発掘してきた成功した企業の事例をまとめた本書の意義は決して小さくはないと思う。2023/04/14
ヨムヒト
9
中小企業好事例が各種紹介される。日本の企業数は1991年にピーク650万社以降減少。中小企業は99.7%を占め、GDPの70%。1991年以降は企業数は減少するのであるが、これは所謂鍛造・鋳造のような製造業が中国などの東南アジアに流れ出て行った。起業される領域もIT領域、ファブレス工場、時代の流れに沿った高齢者向け事業、更には足元は農業なども多い。尚、製造業は10%ぐらいで実は少ない。承継も課題だが、承継する担保設定を追う、EBOの最大問題は実は担保の承継。尚、30%ぐらいは承継の当てがないのだという。2026/03/06




