内容説明
宗教人口の過半数を、キリスト教信者が占める韓国。教派間の拡大競争は、大統領選挙の動向や、北朝鮮支援事業に強い影響を及ぼす一方、しばしばカルトや他宗教との衝突といった社会問題を引き起こしている。本書は、一八世紀以降の朝鮮半島における受難の布教開始から、世界最大の教会を首都ソウルに置くにいたった現在までを追い、日本では報じられなかった韓国社会の実情と問題を解き明かす一冊である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ntahima
29
2度目の外国暮らしだったのでカルチャーショックは殆ど感じなかったが、韓国キリスト教の外貌には軽い違和感を覚えた。私自身がキリスト教徒ではないので教理等は比較できないがドイツなどヨーロッパ諸国で接したキリスト教とは大きく違う印象を受けた。いつか韓国キリスト教全般について書かれた本を読んでみたいと思っていた。結論から言えばかなり腑に落ちた。これはどちらが正当かという意味ではない。宗教も文化から自由ではあり得ない。韓国のキリスト教人口は新旧合わせて3割弱。社会に対する影響力は非常に大きい。文化理解の為にも有用。2014/12/20
Tomoichi
22
昨今韓国でキリスト教徒が多いの知られている。地元大阪に戦前からある韓国人のためのキリスト教の教会があり、韓国人とキリスト教というのが40年前の私には違和感しかなく、今回本書でその理由の一端でも知れればと購入。日本の感覚でいうとザビエルによるキリスト教伝来と同じ時期に韓国にも伝来していると思いきやさにあらず。またその受け入れられていく過程も日本とは全く違うのです。隣国とは近くて遠い存在ということを改めて実感。2024/09/08
Porco
19
韓国にはキリスト教徒が多いとは聞いていましたが(約3割らしい)、いったいなぜなのか、社会的な存在感はどんなものなのか、まったく知りませんでした。韓国キリスト教史の始まりから現在までを様々な角度から解説してくれている本書は、全ページ、知らなかったことだらけ。実に勉強になりました。2017/02/04
gecko
8
キリスト教信者が宗教人口の過半数(全人口の約3割)を占める韓国における、キリスト教の歴史と現在を解説する一冊。伝播の特徴は、前近代にカトリックを出発点とし、外国人宣教師による布教ではなく、中国で出版された書物を通じて「西学」という学問として知識人階級に浸透したこと。プロテスタントはこの前史とは断絶した形で帝国主義の時代に導入され、抗日運動の中心勢力ともなったという。キリスト教受容の要因には、シャーマニズムなどの土壌、儒教の祖先崇拝を取り込んだこと、アメリカの影響、「選民思想」などがある。2012年発行。2022/08/25
ラウリスタ~
7
布教ではなく、北京で自発的に学んだ人が韓国キリスト教の始まりとされる。その組織力から、抗日運動の中心となる。独立後は、抗日指導者にキリスト教徒が多かったことに加え、「韓国を救った」アメリカへの感謝から、プロテスタントが爆発的に発展。そこからChosen朝鮮=選ばれた民という認識へ。プ諸教会は分裂を繰り返し(神学的に、あるいは暖簾分けで)た結果、最寄りの教会に通うのではなく、好みの牧師のいる人気の教会へと車で通うように(大教会)。地域貢献ではなく、むしろ地域との対立が起こる。韓国原宗教が一神教的であった地盤2019/08/10
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