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内容説明
ランカスター方ノーサンバーランド伯の配下、辺境騎士のウィリアムは、無敵の両手剣使いだった。戦場で敵なしのウィリアムのまえに、同じ得物を扱う敵方の兵士が現れる。両手剣を短くつかんだハーフソードの構えを見せる相手は、まだ若いブライスフィールドの騎士ジョン。ウィリアムはジョンの才能に、生きる価値を見いだした……。表題作「甲冑武闘(アーマード・バトル)」ほか、歴史のなかで行われてきた1対1の戦いを、連作形式で描き上げるのが今作品。作者の久慈光久はローマの剣闘奴隷やギリシャ人、そしてスイス志願兵のなかに、不撓(ふとう・へし曲げられず)不屈(ふくつ・折り曲げられぬ)の物語を見いだす。中篇3作品にショートを3作合わせて収録した、久慈光久の第2作品集。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
39
『狼の口』にてリアルな紛争を描き出してみせた作者の短編集。表題作は、重装備の甲冑騎士として戦場にだけ生きた男の人生。真珠採りで養った肺活量を生かした集中力と美麗な剣技で生き抜いていく女剣闘士アキレイア。その他の小品も含め、興味深く面白いが、大作の序章といった感じは拭えない。もっと読みたいぞアキレイア!!2019/04/28
緋莢
12
1460年。ウェイクフィールドの戦い。ヨーク公リチャード率いる軍勢は、サマーセット公ヘンリーが総指揮を つとめるランカスター軍と戦っていた。甲冑が固くて、お互いに一撃で倒せない中、ランカスター側の老騎士・ウィリアムは、一方的に倒すことで恐れられていた。そんなウィリアムに騎士・ジョンが立ちはだかり…表題作含む6編収録。表題作は戦場で戦った好敵手を捕虜にして(続く2023/11/15
十二月の雀
10
初めましての作家さん。いや実に好み。アクションが見やすくて良い。この人の他の作品も読みたいな。2021/03/14
ざっきー
7
中世だけでなく剣闘士ということは古代も含めての「武闘」ということか。それだけの年代を描くということは資料も幅広いと思うと、作者の苦労には頭が下がります。あと、古プレートアーマーは銃器黎明期のころに増えてきたということなので、表題作はその頃の年代なのか(その割には銃器の描写がなかったような)それとも日本人の持っているイメージが優先だったのか。そんな年代考証が気になりつつも、面白いからいいかとも思う。2019/04/27
kanon
6
男尊女卑の時代下の、それでも強く生きる女性を描いている気がした。リスペクトを感じる。しかし一番良かったのは表題作『甲冑武闘』であった。人生、何か自分の中で確固たる生きた証を見つけられれば良い。2020/09/30