内容説明
文化文政時代、千数百点にもおよぶ独特の妖艶な美人画・春画を残した浮世絵師・渓斎英泉。若くして葛飾北斎に私淑し、またその北斎に支えられつつ美人画・春画で一世を風靡、曲亭馬琴にも気に入られ『南総里見八犬伝』の挿絵を描く等の大成功にもかかわらず、絵筆を措いて女郎屋の主人に収まったりと波乱に富んだ人生を送っている。
これまでは好色放蕩無頼の人物としてとらえられてきた英泉だが、本作では「絵」に賭ける果てなき渇望を持ち続けた真摯な人物としてまったく新しい英泉像が活き活きと描かれている。書き下ろし時代小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
38
英泉といえば男前でお洒落でモテモテで、素晴らしい絵を描くのにこだわりなく春画も描くし女郎屋稼業までやってしまう、北斎の娘・お栄との交流も親友なのか男女の仲なのか…等々のイメージで読み始めた。が、これは3人の妹を養わなければならない絵師・英泉の画業への姿勢をまっすぐ描いた作品だった。奇人変人扱いされがちな北斎や馬琴が才能はあるが普通の人として描かれているのも新鮮だった。2019/05/03
onasu
19
読んでいると、江戸を覗いてきたように思える作品でした。 濃いい美人画との印象の渓斎英泉。その人となりは、あくまで北斎絡みの小説だが、飄々とした男前で、北斎に私淑して、お栄と関係がどうとか。そう記録がある訳でなし、その様に描かれるのも諾なるかなだが、こちらの英泉はちと違う。 妹たちを養うために春画を描き、美人画を描いては版元に持ち込む中で、師とも、父とも仰ぐこととなる北斎と出会い、無為に過ごす日々があっても、仰げば北斎という高みがそびえ、近付けばより高く見えるが、それでも挑み続けた逸材がここにはいた。2019/04/28
Mirror
15
読後は刹那い 余り注目していなかったが画力ある方は 時が人が機がフイットしなかったのか?でも見ている人は見ているだな。2021/04/29
クサバナリスト
9
ゴッホの絵にその作品が出てくるときにみるか、美術館でたまにその作品を目にする程度であまり意識した絵師ではなかった。春画が主の絵師だったようだが、個々の作品も画集とかで確認してみたい。2021/04/28
ちどり
4
お栄ちゃんと北斎、善次郎の話かと思ってて お栄ちゃんの出番すくなくて残念。 渓斎英泉の画業と家族と生き方の物語。 彼の生涯が描かれていたけれど 人物像に深みを感じることができなかった。 ちょっと冗長だったかな。2021/05/06
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