内容説明
若き日も暮れる日も、それなりにいい……。長く生きすぎたと自らを嘲笑する、希代の美術家、篠田桃紅。一〇五歳を超えてなお、筆と向き合い作品を発表する。「歳と折れ合って、面白がる精神を持つ」「多くを持たない幸せ」「頼る人にならない。頼られる人にもならない」。一人暮らしを愉しみ、生涯現役を貫く著者が残す、後世へのメッセージ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
香菜子(かなこ・Kanako)
20
一〇五歳、死ねないのも困るのよ。篠田桃紅先生の著書。長生きは素敵なことだけれど長生きしているご本人からすると困るところもあるのかも。死ねないのも困るというくらい長生きされている篠田桃紅先生だからこそわかる悟りの境地のようなものがきっとある。篠田桃紅先生のように生涯現役で長生きできればどんなに素敵なことでしょう。2022/01/13
りるふぃー
11
桃紅さん、精神的に誰にも依存していない。『自分で考えて、自分で取り入れて、自分で人生を工夫する。考える力を放棄してしまってはいけません。そして、人に相談することは、人を頼りにすることではありません。相談してその人の話を聞いて、なお自分で考える。人の話に従うのは相談ではなく、その人の言いなりです。自分というものを、まずしっかり持ってから相談します』という文章が印象的でした。身体は不自由になっていっても、心はフル回転できる。芸術家でありながら哲学者でもあるなぁ、と思いました。2021/04/29
凛風(積ん読消化中)
9
今年2冊目の篠田桃紅さん。ご自身のことをサクッと書かれたエッセイで、長く生きる人は、自分との折り合いの付け方が上手だな、と思う。こうでなければいけない、というような硬直したものを何も持たない。何せ、100年生きていますから、と軽くいなして前を向く。この柔らかさが、心地良い。2021/09/04
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
3
107歳老衰で没。今はまってる戦後作家たちと同世代じゃないか。この時代に女性でありながら自由に生きる覚悟をするとは相当なお方!――意外と気負ってなかった。■本で読んだ方法、誰かに聞いたことを真似るだけの人生は横着■兄はおしゃれで命を縮め(薄着をして病気)人は愛するものに殉じるのだなあと思ったが、生死をかけるほどのことはこの世にはない、命を粗末にするな■着物は人を包む謙虚、洋服は俺に入れと尊大。シャツを頭からかぶったり手を突っ込んだりする人の姿は嫌というよりもなんでもそこまでするのか情けないとすら感じる。2022/09/10
Hisashi Tokunaga
1
大正生まれの女性の処世訓のひとつが「横着」という言葉で世間を切って見せる。この言葉の響きに大正生まれの存在感を感じた。2020/07/20
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