日本経済新聞出版<br> ROEを超える企業価値創造

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日本経済新聞出版
ROEを超える企業価値創造

  • ISBN:9784532322618

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内容説明

なぜ日本企業は不当に低く評価されているのか?
「見えない資産」を活かせ!

上場企業(金融除く)のバランスシートには依然として200兆円近い広義の現金(現金+有価証券)が積み上がり、上場企業の1割以上で広義の現金の方が時価総額より大きい。アベノミクス前後で株価もROEもほぼ倍増したが、企業価値の創造は十分ではない。一方、ESG(環境、社会、統治)ブームの中、ROEを忌み嫌う一部の経営者も非財務情報のアピールには熱心であるが、日本企業のPBR(株価純資産倍率)はほぼ1倍で推移しており、非財務資本の価値が付加価値として市場から認識されていない。

その背景には、日本市場の長期的低迷、「資本の価値」の低評価、企業と投資家の認識ギャップ、低いROEとコーポレートガバナンスの問題等があり、歴史的文化的要因も含めてきわめて根が深い。近年アベノミクスのガバナンス改革、「伊藤レポート」などでROEは向上してきたが、いまだ道半ばであり、その質が問われている。皮相的なROE経営ではなく長期的持続的な価値創造に貢献することが重要である。
わが国企業には資本コストやROEが十分に理解されていないのではないだろうか。あるいは当局のリードに盲目的に追従して皮相的なROE経営や横並びの配当政策に陥っていないだろうか。一部の投資家のショートターミズムも悪影響を及ぼしてはいないだろうか。

そして究極的には、企業価値は非財務資本から財務資本に転換されて生成されると考えられるが、いかにしてそれを具現化して資本市場の理解を得ていくのか。潜在的には非財務資本の価値がきわめて高いはずの日本企業が過小評価される事態に陥っている現状を打破し、コーポレートガバナンスや財務リテラシー、ESGとそのIR(説明責任の履行)を改善することで、大きな企業価値の向上が図れるのではないか。ESGが救世主になる可能性があるのではないだろうか。
こうした思いでわれわれ3人はそれぞれ啓蒙活動をしてきたが、本書は3人の長年の日本企業の企業価値向上への思いを伝える集大成と言って良い。
――「はじめに」より抜粋

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hiroo Shimoda

5
現金の価値のディスカウントという発想があるのか。投資家とバンクの差だなぁ。2021/06/19

Great Eagle

4
とても示唆に富む内容です。財務と非財務的な企業価値、そしてROEに加えてESGなどを加味した経営に向けてどのような対応をしていくか考えさせられました。2019/06/17

SQT

0
売上高が伸びると市場に評価される。単なるコストカットでROE伸びてもダメ。PBR1倍以上の部分は人的資本とか研究開発とかESG要素で株主資本コストを下げた部分2023/11/04

Naota_t

0
★3.3 簿価の資本についた付加価値が企業価値評価の本質(非財務)であり、煎じ詰めれば資本の成長率であるROEがその指標、というのが本書のテーマ。主内容がアカデミック寄りで疲れた。最終章の著者三人(企業CFO、バイサイド、セルサイド)の鼎談が一番参考になった。①統合報告書でESGとROEの価値関連性を世界の投資家は知りたい、②企業と投資家の"目的を持った対話"が必要、③投資家との対話がきちんとできれば、利益は出なくとも、資本コストが下がり、企業価値が上がる、④CSVは社会的価値と経済的価値を両立する。2021/10/06

いわき

0
現金の残高を下回る時価総額しか有していない日本企業がこんなにも多いというのが衝撃的でした。主著者の柳氏が上場企業エーザイのCFOとして実践しているということもあり、とても説得的な内容です。2019/12/30

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