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内容説明
1959年、皇太子明仁のご成婚パレードの日、一人の少年が皇太子とその妻に石を投げた。三島由紀夫はその行為に「天皇と国民が個人として対話をする」というテロルを見て戦慄し、石原慎太郎はそれを隠蔽しようとした。そして即位した明仁天皇が行ってきたのは、かつて庵野秀明が描いた人類補完計画が成ったかの如き、統合の実践としての感情労働だった。『少女たちの「かわいい」天皇』から一時代を経て書かれた、「終わり」の平成天皇論。
目次
序章 私たちは明仁天皇の「ことば」をいかにして見失ったか
第1章 他者としての天皇── 投石少年論
第2章 セカイ系としての「純粋天皇」── 大江健三郎を平成の終わりに読む
第3章 押入れの中の「美智子さんの写真」と「女子」教養小説という問題
第4章 シン・ゴジラの帰還と素晴らしき天皇なき世界
第5章 平成三〇年小説論──「工学化した世界」の片隅で
短い終章 天皇のいない国をつくる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
33
4章で加藤典洋が「シン・ゴジラ」を電通文化として批判した部分を引用して「批評家の劣化とはこういうことか、と自戒だけはしよう。」と書いた直後に、「ゴジラは皇居に向かっていたのである。それは東京駅の丸の内側で降りたことのある人間には自明である。」と続けることに疑問を持たない読者はいないでしょう。確かに加藤の論は唐突で、上滑りした感はありますが、結論だけは加藤が以前に大展開したゴジラ論と同じ大塚の論は、もっと大きな唐突さを印象付けます。近代的個人を確立できなかった日本人が、個人として生きることが出来ない天皇に対2020/02/16
ぐうぐう
30
明仁天皇の生前退位の意向がいつしか「お気持ち」へと表現を変えたことに象徴されるように、「感情」で象徴天皇制を受け止め、判断するという国民的共有が成されるに至った経緯を解読する大塚英志の『感情天皇論』。下敷きになっているのは数年前に刊行された『感情化する社会』のようだが、退位直前のタイミングでの出版に合わせて天皇論に焦点を当て直した、といったところか。天皇の「考え」を「感情」としてしか国民が受け止められなかったことを大塚は、近代をサボタージュしてきた結果と捉えている。(つづく)2019/04/15
浅香山三郎
17
久方ぶりに読む大塚英志。明仁天皇(現上皇)の退位を巡る問題から書き起こして、戦後民主主義のなかでの天皇イメージの変転を辿り、「天皇のいない国」への理路を探る。各章の考察の結論としての終章は些か拍子抜けの感も強いが、例ヘば、平成時代の果てに「工学化した世界」を見出すなど、いくつかの指摘は興味深い。 時間が経つてからの振り返りで細部を忘れてをり、要再読である。2020/01/19
チェアー
13
難解だった。天皇制について語った本と思いきや、それは半分はあたっているのだけど、半分は外れていて、文学批評の世界と複雑にからみあっていて、そして最後にはやっぱり天皇制に戻っていく。ん?そもそも感情労働がシン・ゴジラや大江健三郎や古市憲寿などとどう関係しているのか、わたしには理解できない。天皇の行動が感情労働であるという指摘は、なかなかおもしろかったのだけど。2019/07/20
犬養三千代
10
天皇論を三島由紀夫や大江健三郎、石原慎太郎などの論考で捉えるのはわからなくはない。しかし、シン·ゴジラやエヴァンゲリオンはどうよと思う。「自我」「皇族の人権」を持とうとした平成天皇と今上天皇。 その譲位を希望するお言葉を退位と言い換え、今回限りとした安倍総理。その安倍総理を選んだのは我々だ。2019/10/08
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