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内容説明
第二次大戦後、ヨーロッパ諸国は「和解」に向け歩んできた。だが、現在は自国中心主義勢力が各国で拡大し、英独仏ロによる「大国の時代」が復活しつつある。この危機の本質を理解するには、これまでの七十数年の歴史を繙かねばならない。福祉国家の成立とその行き詰まり、新自由主義時代の到来と東欧革命、エスニシティの噴出、グローバル化の進展、財政危機や難民問題、反EUなど現在の危機に至るまで、国際関係のみならず各国の内政との関わりからも描き出す決定版ヨーロッパ史。
目次
序章 「和解の時代」から「大国の時代」へ
第一章 戦後和解と冷戦の時代(1945年~1950年代)
第二章 繁栄から叛乱の時代へ(1960年代)
第三章 石油危機と低成長の時代(1970年代)
第四章 新自由主義の時代(1980年代)
第五章 冷戦後の世界(1990年代)
第六章 グローバル化の時代(2000年代)
終章 現代のヨーロッパ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
樋口佳之
58
良く整理された年表を示しながら、超スピードでヨーロッパ現代史を語られる講義のような本でした。そんな事あったなあと思い出していると次の話題に進んでしまうのがちょっと辛い。語られる事項一つ一つで一冊の新書できる訳だから仕方ない事かも。2022/03/06
coolflat
20
56頁。第三共和政は議院内閣制を核にした政治体制であった。第二共和政がナポレオン3世の独裁体制によって容易に覆された経緯から、民主政治の根幹たる議会の権威を高めた制度であった。しかし対独政策について強硬派と和平派が対立する等、政党組織の結束力も弱く、離合集散を繰り返して小党が乱立し、短命政権が続いた。第四共和政は大統領の選出を定めたが、大統領は議会から選ばれる事になっていたので、議会に大きな権限がある点は変わらなかった。第三共和政にうんざりして、大統領制による強い政治を求めた市民からすれば期待外れだった。2021/01/20
かんがく
12
著者の専門はベルギー史。ヨーロッパの戦後が、英仏独ソを中心にして端的にまとてられている。一章から約10年ごとにまとまっており、タイトル写真にそれぞれ起用されているアデナウアー、ドゴール、ブレジネフ、サッチャー、シラク、プーチン、メルケルという顔を見るだけで時代の雰囲気がなんとなく伝わってきた。2022/03/13
田中峰和
5
戦禍にまみれたヨーロッパを復興させるには、戦後和解体制である福祉国家として繁栄したかに見えたが、68年の左派政党の台頭や若者の反乱が起こった。50年代以降、10年刻みに章を分けて解説されるが、各章の扉には時代を代表する人物の写真が掲載。50年代はドイツのアデナウアー、60年代は仏のド・ゴール、70年代はソ連のブレジネフ、80年代は英国のサッチャー、90年代は仏のシラク、0年代はロシアのプーチン、10年代は独のメルケル。89年の冷戦の終焉後、民主主義の勝利の結果は世界規模の経済競争による不幸の連鎖だった。2019/07/07
千住林太郎
4
ヨーロッパ現代政治の通史を年代ごとに国別に描いた本である。 戦後復興と国民間の和解を目指して成立した福祉国家体制は、石油危機とともに見直しを迫られる。各国の政府は右派左派を問わず緊縮財政と規制緩和を旨とする新自由主義的な改革を導入し、福祉国家路線は転換する。そして、各国は新自由主義の下で競争を繰り広げるとともに、格差拡大と移民問題、そしてそれらの不満を吸収するポピュリズム政党の台頭に悩まされることとなる。 上記の構図は各国共通であるが、各国がどのように対処したかという差異があって実に興味深い。2022/12/26
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