内容説明
新聞紙上やラジオでの人生相談に定評のある著者は、「ドリアン助川」という「叫ぶ詩人の会」時代の芸名を知る人も多い。1995年から2000年に放送された深夜番組「ドリアン助川のジャンベルジャン」(ニッポン放送)は、「中高生の駆け込み寺」と話題を呼んだ。全国の中高生から寄せられる悩みと真摯に向き合い、容赦ない質問と格闘し、著者自身が疲弊したが、そんな著者を支え、励まし、あたたかく包み、ありとあらゆる悩みに答えるヒントを授けてくれたのは、大学時代に学んだ「般若心経」を学びなおすことだったという。お葬式や法事でいちばんよく聞かれるお経であり、また一般にも「般若心経」を日々読み上げて祈ったり、写経したり……。本書では「般若心経」をお経界のスーパースターであり、262文字の元気になる呪文といい、「般若心経」が何を説き、人に対してどのような力を与えてくれるのか、身近なエピソードでわかりやすく解説する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
めりっく
4
著者が262文字からなる般若心経を詳細に読み解いていく。一つ一つの言葉の意味を行きつ戻りつしながらの読書だったので理解は十分ではないし、元より現代的な悩みの虜囚たる私如きに一読で理解できよう内容であるはずもない。仏陀の至った境地は究極的に簡素であるが故に難解でより厳しいものであり、弟子によって口承され書き認められいつからか付け加えた最後の一行は仏陀の思いと真逆なのだろうけれど、甘っちょろい現代人たる私はそこにより一層心動かされてしまう。著者の言う通り何度も読むべき一冊だと思った。2022/09/26
かおりんご
3
宗教本。般若心経についてかかれていたので、タイトルで食らいついた私としては、いまいちだった。さらに、内容が難しく、一回では理解しがたい。般若心経は、奥が深いです。2010/06/27
読書国の仮住まい
2
『羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶』。 『往ける者よ。往ける者よ。彼岸に往ける者よ。完全に彼岸に往ける者よ。悟りあれ。幸せあれ』中村元訳。 仏陀の教えとは存在の否定であり、全ては空である。 しかし全否定とはすなわち全肯定に等しい。 実際仏陀は命の終焉が迫る場面において、この世界は美しいし、人間の命は甘美なものだと説いたという。 全てが移ろいゆく世界において、空とは『ある』ことの絶対条件。 分け隔てなく全てを受け入れることが空の境地。 とはいえ、隣の部屋で首を吊った兄を持つ弟に何を言えるのか…。2022/09/16
Taka
2
偏見を持たず、素直に生きていくための知恵と思って読んだ。まだ理解していない言葉は沢山あるけれども、心のなかに入る言葉は幾つもある。 2600年、気が遠くなる時間だけれども、それだけに重みを感じる 時間を置いて再読します2014/10/23
長島芳明
2
般若心境の解説本はいくらでもあるが、これは著者の体験談を例にとりながら説明が進むので意味がすいすい伝わる本だった。TVの「金髪先生」を熱心に見ていた人はより伝わると思う。2013/03/01