レッド・アトラス 恐るべきソ連の世界地図

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レッド・アトラス 恐るべきソ連の世界地図

  • ISBN:9784863134355

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内容説明

冷戦時代に、ソ連はとてつもなく詳細な世界地図を作っていた!いまだ秘されたままの地図の制作過程と意図を読み解いていく。日本版には特別に、ソ連製地図の東京(1966年版)を抜粋収録!

ロシアではソ連時代に作られたある地図がいまだ機密扱いとなっている。かつて鉄のカーテンが東西を遮っていたなか、ソ連はとてつもなく詳細な世界地図を作成していた。 どのように情報を手に入れ、検証し、作図したのか、口を開く関係者は現在にいたっても一人もいない。
ソ連崩壊のどさくさでたまたま世に漏れた一部の地図をもとに、ソ連が世界地図を制作した過程を、ミステリー小説のようにスリリングに暴いていく。
充実した付記では、ソ連製の主要各都市の市街図、地図を読み解くための記号やルールなどを収録。本書をもとにソ連の地図を読み解く楽しさも味わえる。
カラー図版約300点。
日本語版には特別に、ソ連製東京地図を収録!

「グーグルアースが影も形もない時代、鉄のカーテンの向こう側では地球上全ての地点を覆う地図が秘密裏に製作されていた。スパイ、偵察衛星、公刊情報を基に製作されたソ連の軍用地図は不気味なまでに精密だ。現在も地図が軍の管理下に置かれ、全土の精密地図を公開しないロシアだが、本書はその実態を初めて明らかにした労作である。」
小泉悠(ロシア軍事評論家)

目次

序文 ジェームズ・ライゼン
本書の読み方
はじめにーー本書が推理小説である理由
第一章 戦争と平和
 物語の背景ーーナポレオンのロシア遠征からソビエト連邦の崩壊まで
第二章 世界を紙に描きだす
 ソ連がつくった世界地図の様式・内容・記号
第三章 策略と計画
 表に裏にうかがえる地図作成者の工夫
第四章 復活
 ソ連崩壊後の地図発見とその重要性

付記1 主要都市地図
付記2 市街図の「基本情報(SPRAVKA)」には何が書いてあったか
付記3 地形図の「基本情報」には何が書いてあったか
付記4 記号と注解
付記5 用語と略語
付記6 印刷コード
付記7 秘密保守と管理

日本版特別付記 ソ連製東京地図(1966年)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Koning

30
かつてソヴィエトが作成していた詳細な地形図の数々。今はかなりの数がネット上でも見られるので見たことがある人も多いと思うが(私もそれでちらちら見たことがある)網羅的にこういうのがありましたよ、って紹介されてるので、いろいろとためになる。飛行場で写真撮ったら以下略だった鉄のカーテンの向こう側だけあって、いまだに全容はわからないってのが素敵(というか作ってる方もこれじゃ全容把握できんよね)。足で稼いだっぽい情報とかしっかり入ってるのがさすがで、スパイのいなかった空白地帯はそういう記述もないとかがさすがです。2019/04/22

月をみるもの

17
本邦でも地理院は元陸軍、海上保安庁水路部は元海軍の地図作成部隊だったわけだが、現役の人たちは Google Earth の使い方すら覚束ないみたいなんだよな、これが。。。https://www.asahi.com/articles/ASM8H65LSM7ZPLBJ003.html2019/09/07

imagine

12
ロシアで機密扱いだった地図を読み取ることで、彼らが細部まで世界の国々の情報を収集していたことを伝える一冊。キリル文字が詰め込まれ、色彩も豊かな地図の数々が紙面を大半を占める様は刺激的だ。だが…。序文のミステリーかノンフィクションのような導入は回収されない。著書である地図研究者2名がひたすら地図から作成者の意図を読み取り、スペックを解説することに終始する。形ばかりの結論(侵略攻撃または共産化準備の青写真云々)は述べられるが、関係者証言など取材的要素を期待したため、やや肩透かし。鑑賞用として楽しむには良い。2019/07/23

六点

12
かつて、ソ連という国があった。世界の一方の旗頭であり、超大国であった。その国が狂気とも言える情熱で作り上げた西側世界の地図の記録である。橋一つ取っても橋長のみならず材質、桁高、荷重まで記載されている凄まじい地図である。以前共産圏の地図が今尾恵介氏の著作に紹介されていたことがあり、是非実物を見たいと思っていた。図郭や測地系の無味乾燥な解説を乗り越えた時、ソ連の情熱の物凄さに圧倒される。なお、戦時中のみの出来事と思われる戦時改描は現在の西側諸国で今も行われている事に驚かされた。日本は平和ボケなのか良い国なのか2019/04/22

パトラッシュ

11
初の共産国家ソ連の独裁者スターリンは自国のみならず全世界の地図作成を推進した。橋の長さや荷重、工場の名前と生産物など普通の地図にはない詳細まで書き込まれた地図が、西側との戦争と現地への侵攻・占領を想定した軍用地図なのは明らかだ。ハイテクのなかった当時ひとつずつ人が調べて地図に反映させたのだから、これらの作業にソ連政府や軍がどれだけの金と人と資源を費やしたか想像できない。しかし考えてみれば、ソ連時代は地図製作者にとって天国だったのではないか。キリル文字で記された美しい地図は今見ると現代の芸術品ともいえよう。2019/09/15

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