内容説明
「世紀の悪妻」と呼ばれたが、彼にとってはたった一人の愛妻だった。生きている間にいえなかった「ありがとう」をいま伝えたい
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ようはん
20
サッチーこと野村沙知代の死後、夫野村克也が語るサッチーについて。傲岸不遜で金に汚くやらかしたトラブルは数知れない、ノムさんが本書で推測した通り結婚も金儲けとして利用した側面もあるのだろうが彼女の夫に対する諸々のアドバイスが結局は一般的に知られるノムさん像を作り上げたとも言えるし、男として生まれていたら最後は破滅した可能性は高いがもっと大きな財を成した傑物になっていたと感じた。ただ最終的にはさんざん振り回した相手であるノムさんに救われてはいたんだろうなとは思う。2020/02/28
ライアン
19
変わった夫婦関係だけど本当にサッチーのことが好きだったんだなと。「なんとかなるわよ」の言葉はよっぽど心強かったんだな。野村監督もサッチー同様同じ病気で苦しまずになくなられたのは、それはそれで、と思う。2020/03/14
Mik.Vicky
12
稼いでいる男が言うことは違うなあ。野村沙知代さんがテレビによく出ていた時期はいつだったろう。強気キャラとして 消耗されただけだったような印象。すごく変わった夫婦のように感じるが、二人ともそれぞれ変わった個性の持ち主であり特殊なポジションを得た人なので当然そうなるのかも知れない。しかし、悪い夫婦ではなかったようだ。私も見習いたいと思うところは所々あった。2020/04/12
さいちゃん
12
先日お亡くなりになった野村克也さんの、亡き妻沙知代さんにコントロールされてきた実態をボヤキともとらえられる言い回しで正直な気持ちを綴った本。しかし否定は全くなく根底には愛がしっかりと存在している。野村さんは父親、母親を知らない家庭に育ったために沙知代さんに妻としてを多く求めなくても母親、そして父親をより求めていたので不満な気持ちは存在しなかったそうだ。ただ一つの後悔はちゃんと感謝の気持ちを伝えられなかったこと。最後に【おい、ありがとな】で閉められている。野村さんがお亡くなりになった今、なんとも切ない。2020/02/18
mami
11
ヤクルトファンだった私は神宮球場でよく傘を振ってた。ヤクルトファンだったのかな、野村監督のファンだったのかも。サッチーの嘘までまるごと認めて受け止める度量の広さ。マスコミから猛攻撃を受けた事態をも冷静に的確に分析している。そこまでぶっちゃけるのか、という内容もあるけれど人となりが良く分かる本。「本当の夫婦とは所詮他人だと認め合うこと。分かり合えない者同士だから思いやる心が生まれる。」名言。2021/07/08