内容説明
亡くなった同僚から「明日は必ず行きます」と会社に毎朝電話がある…。『明日は必ず』収録。大人気怪談師の実話集!
怪談師として憑依的な語りで魅了する牛抱せん夏。自身の体験も含む43話の怪談を披露する。多額の借金を背負った夫婦の家に現れる着物姿の女とは「貧乏神」、とある因縁の心霊スポットに踏み込んでしまったために起きる惨劇「因果応報」、濁った瞳を持つアンティーク人形の怪異「ビスクドール」、昼過ぎなのに夜のように暗い家。何かがおかしい、そう感じたとき玄関に誰かが来た! 「式神」など。ふとした日常にぽかりと口を開ける暗闇、誘われて踏み込めばもう戻れない。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
177
今年2021年は丑年という事で今回は牛抱せん夏さんを選びました。女優業と怪談師と作家の三足の草鞋を履かれる才媛で素晴らしいご活躍ですね。作風は大仰でなく淡々としていながらも要所を抑えた書きっぷりで序盤はややスローペースでしたが、終盤になるにつれてエンジンがかかって来て本来の実力を存分に発揮されましたね。企業戦士の方には「明日は我が身」と身につまされる話。『明日は必ず』電気会社のシステム開発部で働く優秀な男性・坂田さんは職場で皆から慕われ信頼を得ていたが、最近ブツブツ独り言をつぶやき出し様子がおかしくなる。2021/01/01
さりぃ
12
#実話怪談 呪紋 #牛抱せん夏 KindleUnlimitedで読了。 『ビー玉』『屋根裏部屋』『呉市の友』『桜の木』『担がれた友人』辺りが好みだった。 『担がれた友人』は読みながら寒くなった。零感なので本物かどうかの判定は出来ないが読みながら鳥肌が立って背筋がゾワゾワしたのは初めてかも。 話としては、めちゃくちゃ怖いわけじゃないんだけど…。2019/09/19
ぐりとぐら
10
興味深いのが多かった。後半の、樹海のやつと夫婦のやつは、特にぞくりとした。この方の書く怪談ははじめて読んだけど、他も読もうかな。2019/12/07
澤水月
10
エンジニア年末デスマーチの話、怪談以外のパートが怖い2019/03/31
qoop
6
著者、竹書房では初の単著か。怪談としてはオーソドックスなだけ際立つ個性は見えてこないものの、文章を書き慣れた感が伺えて好印象。ただ因果関係の類推が事実と混同されたり、シチュエーションの面白みを優先してか真実味が薄かったりと、話によっては不満もある。断定を避けて曖昧にぼやかしつつ提示するなど、構成を再考できるか(それがセンスかキャリアかは分からないが)問われるところだろう。とりあえず今後に期待。2019/03/30