内容説明
会社経営にはリスクが伴う,ときには冒険もする。しかし,失敗したとき,時として経営者は責任を問われてしまう。ただ,それでは企業活動が萎縮してまうのではないか?本書ではアメリカのコーポレートガバナンス制度を紹介しながら,日本の会社法上の法的問題について根本的な解決方法を提案する。
目次
第1章 開示によるコントロール
第1節 SECの不正支出開示政策
第2節 開示政策から外国賄賂禁止立法へ
第3節 財務情報の信頼性確保としての監査委員会の展開
第4節 内部統制システムの設置義務
第2章 監査によるコントロール
第1節 監査役制度の概要
第2節 使途不明金の開示
第3節 無償供与の開示と監査
第4節 総会屋の排除
第3章 マーケットによるコントロール
第1節 監査役制度の限界
第2節 取締役会の機能の分離
第3節 上場会社法制の課題
第4章 民事責任によるコントロール
第1節 債権者に対する厳格な民事責任
第2節 大和銀行事件判決
第3節 監督における善管注意義務と民事責任
第4節 経営判断の原則の立法論
第5章 コーポレートガバナンスの課題と展望
第1節 取締役会権限の拡大
第2節 株主目線の監査
第3節 監査役制度の将来展望