創元推理文庫<br> 終焉の日

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創元推理文庫
終焉の日

  • ISBN:9784488157067

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内容説明

1980年のバルセロナ。弁護士のマリアは数年前に、悪徳警官セサルが情報屋を制裁した殺人未遂事件で、セサルを刑務所送りにしたことで脚光を浴び、名声を得た。だが今、その事件が何者かの陰謀によって仕組まれていたと判明する。マリアは服役中のセサルに面会して事件の再調査をはじめ、自らの血の桎梏と体制側の恐るべき策略を知る。次第に明らかになる、マリアが背負わされた想像を絶する罪とは。殺人、偽証、復讐に運命を狂わされた人間たちの悲哀が胸を打つ。欧州読書界で絶賛された圧巻の大河ミステリ。ヨーロッパミステリ大賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のぶ

84
スペインを舞台にした40年に及ぶ大河ミステリーだが、プロットが非常に複雑に入り組んでいて、自分が正しく読めていないかもしれない。物語は41年と81年が交錯して描かれている。80年代の主人公は弁護士のマリア。40年代はイサベルという女性が語りの中心になる。二つの時代と登場人物が複雑に入り組んだ物語なので、細かなストーリーは書ききれないが、親子3代に渡っての因果が全体の柱となっている。それにスペイン内戦の時代を背景にして、登場人物の心情をも丁寧に盛り込んだとても壮大な話。自分には再読が必要だろう。2019/04/20

goro@一箱古本市5/5

59
泥流のように押し寄せる過去から清算する現在。人が欲しいのは権力か。操られた人々の罪は消えず因果が応報する。可哀そうなマリアとしか言えません。そしてスペイン、逢坂剛の本でも思ったけど複雑な歴史を抱えているんだな。ドロドロと引きずられ読了いたしました。2020/03/18

あさうみ

54
ミステリよりノワール味が強い。殺人、偽証、復讐の連鎖が親と子と孫の世代を駆け巡り運命を狂わせていく。その連鎖が見どころか、重々しく凄惨なのに心を鷲掴みにされ、引き裂かれる。ねっとりと絡みつき、読了後はカタルシスを通り超える。代償は支払われるわけだが、足りないぞ!と思わず拳をにぎる。2019/03/21

Nat

37
図書館本。とにかく暗かった。スペインのフランコ独裁政権下と民主主義が始まったころの時代を行ったり来たりしながら物語が進んでいく。何とも言えない救いのなさだけど、引き込まれてしまい夜更かしして読んでしまった。スペイン独裁下の物語といえば「風の影」を思いだしたが、歴史の中で翻弄される人間の悲しさについて改めて考えさせられた。2024/06/09

007 kazu

37
フランコ政権誕生直後の41年と崩壊直後の81年のスペインを舞台とした3世代にわたる物語。弁護士マリアは情報屋を半殺しにした警官セサルを刑務所に送ったことから名を馳せる。が、セサルは実は親の仇ともいえる政治家の秘密を握りかつ娘を人質に取られていた。41年に起きた「事件」が徐々に読者に明かされていく。マリアも真実に迫り、41年に殺害された女性を巡りセサルと接点があることに気づかされる。 セサルを裁くこと自体が人に踊らされていたことを知り、さらに自分の父親は・・(続く)★4.5 2019/06/11

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