角川選書<br> 豊かさ幻想 戦後日本が目指したもの

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角川選書
豊かさ幻想 戦後日本が目指したもの

  • 著者名:森正人【著者】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • KADOKAWA(2019/03発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784047036697

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内容説明

「幸福な暮らし」とは何だろう。昭和どころか平成すらも終わろうとしている今、戦後の占領期の、「開発すれば、大規模なイベントをすれば、遮二無二働けば豊かになる」という考え方が再び頭をもたげているようにも思われる。アメリカ博覧会、国土開発プロジェクト、公害などの歴史をひもとくことで、開発、発展、生産性という言葉が、日本において豊かさや幸福とどのように結びつけられてきたのか、その来歴を考え、現代への警笛を鳴らす。

序 章 「豊かさ」の夢
第二章 アメリカ的な豊かさと展示される事物―空間の地政学
第三章 国土開発、産業化と豊かさへの確信―空間の文化・政治・経済学
第四章 道路開発と豊かさへの幻想―国土空間のネットワーク化と物質化
第五章 性と生―家族計画と身体空間への介入
第六章 物質的豊かさと収奪される身体空間
第七章 港都四日市の輝ける未来と公害―イデオロギー装置としての風景
第八章 豊かさという幻想の虚構性(から目覚める)
終 章 「昭和」を終わらせる力に抗して

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マウンテンゴリラ

1
戦後日本の高度成長期以降の物質的繁栄を『豊かさ幻想』として描くことによって、本当の豊かさとは何かを厳しく問うものであった。その豊かさの陰で犠牲にされたものの最たるものが、工業化社会に乗り遅れた、あるいはそれを拒絶した第一次産業従事者や将来社会の担い手である子供たちに最も悪影響を及ぼした公害問題であるだろう。そこには、単に経済的豊かさへの憧れといった、ある意味無邪気な欲求というものでは済まされない、他者への想像力の欠如、利己主義に覆われた負の歴史という深い意味を感じずにはおれなかった。→(2)2019/05/25

白虎

0
読んでいて悲しさが溢れてきた。 さて、風景に価値中立的なものはない、という終章の言葉に、自分が景観に関心を寄せていることもあり胸を打たれた。 景観をつくりだす過程に働いた意図やポリティクスには敏感でありたいと思う。 また、人間不在の状況も恐ろしいものである。人のための組織が、いつの間にか逆転して組織のための人となってしまうのは常なのかもしれない。ただではどうやって乗り越えれる、乗りこなせばいいのかも分からないというのも所感である2019/07/08

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