内容説明
誕生して100年以上たつ映画。その映画の申し子・淀川長治が、アテネ・フランセ文化センターで開いた映画塾10年の講義録。サイレントからトーキーへの変遷、黒澤明などの名監督、名優たちとの出会いから、幻の作品のストーリーを生き生きと語る姿は、私たちを魅了してやまない。映画はやっぱり素晴しい! 映画の恋人・淀川長治の素晴らしき映画人生。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スタッフW
9
この本は淀川長治さんがアテネ・フランセ文化センターで開いた映画塾の講義をテープ書き起こしした本です。なので文章は口語体、読み慣れてくると目の前に淀川さんがいる気分になってきます。淀川さん、この人の記憶力はスゴイです。大正5年で7歳の頃に見たというサイレント時代の話を82歳のこの頃に、鮮明に語ります。圧倒的な数の映画や本が出てきます。読んでる瞬間は「これ観たい」と思うのに読み終えた頃には忘れてしまうので、読む前に付箋の用意がマスト。個人的には露口茂「人間蒸発」、深沢七郎「東北の神武たち」に興味が湧きました。2015/01/29