内容説明
万葉集の4500余首の歌には、同じ風土に生き続ける日本人の心が息づいている。そこには、脈打つ生命の響きがある。のびやかに麗しく、切なく悲しい、いつの世も変わらぬ生きざまがある。心に残る歌に誘われ、飛鳥へ、大和へ、筑紫へ、越中へ、東国へ、西国へ……。日本人の心に出会う旅に出てみよう。古典の旅シリーズ『万葉集』改題作品。万葉の舞台を巡り、時空を越えて、日本人の魂を訪ねる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
17
大庭みな子の「万葉集入門」かと思って読んだら、紀行文的な旅日記の側面が強いのだろうと最初は感じた。それは、大和を旅して天理での宿泊に安い宗教施設に泊まって今では変わり果てた天理王国の街の感想をふと漏らしたり、近江ではローカル線で出会う若いカップルに額田王の歌を重ねる。こうした古典を読む場合、自分の方に近づけて読む人と、自分から近づいて読む人がいると思うが、大庭みな子は明らかに後者なのだ。有名な山部赤人「富士の歌」。以下、https://note.com/aoyadokari/n/n40b248288c922022/05/12