食べたくなる本

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¥2,970
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食べたくなる本

  • 著者名:三浦哲哉
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • みすず書房(2019/04発売)
  • ポイント 27pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784622087816

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内容説明

気鋭の映画批評家が、料理本を批評的に読む。「料理を作る・食べる・もてなす」ことに人生を捧げてきた人びとへの熱いオマージュ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

102
「あらゆる人間に正しい言い分がある。それが最も恐ろしいことだ」フランス映画の名作『ゲームの規則』1939のなかの監督ジャン・ルノワール自身の演じる登場人物の有名な台詞。「おいしさ」にも、ひとりひとりの正しさがある。本書は、料理に関する本をネタに著者が信じる「正しい言い分」を語るのだが、それがとても楽しい。イタリアから久々に日本に帰り、ビールを飲んだ時、亜熱帯の蒸し暑さの中で飲むビールのうまさは日本でしか味わえないものと感じた。20冊の本を巡り、最後に取り上げた本は故郷福島で感じた原発後の食であった。2022/07/03

くさてる

22
食に関する本、料理研究家の著書、食べることにまつわるエッセイなどを、著者自身の体験というフィルターを通して再構成していくような感覚で読んで、面白かった。名前だけ知っていて、未読の著者の紹介では、読んでみたくなったり、あ、生理的に無理だと思ったり。食べることと栄養学がスピリチュアルな領域に踏み込んでいく危うさとバランスについて触れているあたりがとても興味深かった。2021/05/19

ほし

16
料理本批評の本。あとがきで筆者が述べている「ただたんにおいしいものを数え上げていくということではなく、『おいしい』と感じるその感受性のかたちそれ自体を数え上げることが目指されている」という目論見のとおり、様々な料理本の批評を通じることで、ただ単に美味しいかどうかではない、「食」そのものの魅力が語られています。食という人によって嗜好が大きく違うテーマを扱いながら、読後感が決して悪くないのは、筆者の惜しみない食への愛情ゆえでしょうか。最後の福島の章は素晴らしく、批評という行為の底力をも感じるようでした。2021/12/06

tetsubun1000mg

16
映画評論家が書いた「食べたくなる本」というタイトルが面白い。 何のことかとおもえば「料理研究家の料理本」についてのエッセイというより考察のようです。 紹介している料理研究家は、私にはなじみのない「高山なおみ」「丸元叔生」「有元葉子」さんなどの本を取り上げている。 本の書き方や、食材、調理法にもとんでもないこだわりがあり、常人にはとても届かないレベルの高さだが、著者は実際に作ってみたりする。 1本1万8千円のエキストラバージンオリーブオイルで揚げ物など、徹底したこだわりと料理人の生き方に意義があるのだろう。2020/02/24

タイコウチ

15
たまに自分のために書かれたのではないかと勘違いしたくなるような、関心の領域にピンポイントでヒットし、さらに視界をぐっと広げてくれるような本がある。食べることと料理を作ることについての自己認識が更新された気がする。著者より少し年長の私だが、かつて丸元淑生にはまりビタクラフトを買い(今も愛用している)、高山なおみのレシピ本(エッセイも)も何冊か揃えている。丁寧でバランスの良い書きぶりで、科学とおいしさの関係や原発事故後の問題にも真面目に向きあう著者は映画研究の専門家だという。今年一番のおすすめである(私に)。2019/04/30

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