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内容説明
経済学とは単なる「お金儲け」の学問ではない。「どうすれば、みんなが幸福になれるか」を探究する営みだ──。世の中では、ある人の幸せが他の人の不幸へとつながることがしばしば起こる。では、そうした不可避の困難のもと、あるべき社会の形をどう構想すればよいのか。本書は最先端の確率理論を駆使して、この難題に鋭く切り込む試みである。不確実な世界における人間の行動様式の本質を抽出し、そこから、自由で平等な社会のあり方をロジカルに(しかし熱いハートで)基礎づける。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
樋口佳之
27
センは、「選択肢の広さ」、すなわち「どれだけの自由が与えられていたのか」を評価の対象として取り入れるべきであり、それはまさに功利主義を含む帰結主義(行為の結果の良し悪しだけを問題にする立場)が見逃してきたものだ/所得再分配や学校教育義務化などは、功利主義的には妥当であっても、センの観点からはさらに詳しく考えるべき問題/社会のよさの評価は、財の配分が与える効用の水準ではなく、これらの「財の特性を効用の実現へと変換するための機能」がどれだけ与えられているかという点においてなされる必要/潜在能力アプローチ2019/05/31
白義
10
幸福や公平など、一見経済学とはそぐわない概念を、経済学がいかに緻密に数式にし、その輪郭を明確にしたかが分かりやすく書かれていて、新書では類書が少ない。基本数式はわからないのだけど、文章の例えも素晴らしくてそこを読むだけでも大丈夫。実は経済学以上に、リベラリズムの社会哲学の、その数理的な基盤を解説したものでもあって、どの方向から読んでも面白く、有益。ロールズ、センの前史としてハルサーニという人文読者には馴染みが薄い名前を詳しく紹介しているのも高ポイント2013/02/09
たか
5
10年以上ぶりの再読。自由・平等・幸福・正義といった社会哲学っぽいテーマを、経済学で、それも数理的な基礎づけをもって論じることが有効であることを示している。センのロールズに対する物神崇拝批判、そこからの潜在能力アプローチへ向かう流れを知ることができた。高度に数学的な論文を書いて何やら浮世離れしたことをしている風の学者が、実は(特に筆者は)自身の経験に基づく非常に社会的な関心に動機づけられて研究しているケースがあるとわかったのがよかった。内容は非常に良かったが、タイトルが浅そうな印象なのは残念。2025/05/21
おおかみ
4
幸福、公平、自由、平等といった、「よい社会」を築くためのものを経済学的に考えるとはどういうことか。本書は、数学的発想に基づき、ロジカルに議論することこそがその本質であることを教えてくれる。ピグーやハルサーニ、セン、ロールズらの思想を丁寧に解説してくれる快著。経済学に馴染みのない僕のような人間は重宝する。2010/01/25
壱萬参仟縁
2
この本では、消費者と語られる部分が「市民」となっている。だから、市民が消費することの意味が書いてある。消費者が消費するという旧来型のものではない。全体を通じて、重要なことはゴシック太字で書かれているので、教科書的であるが、わかりやすさも保証できる。著者は数理経済学の専門家であるが、わかりやすい叙述に好感がもてた。2012/04/19
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