角川文庫<br> 葵の月

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角川文庫
葵の月

  • 著者名:梶よう子【著者】
  • 価格 ¥792(本体¥720)
  • KADOKAWA(2019/03発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041077825

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内容説明

西丸書院番組頭を務める立原家の娘、志津乃には、決して忘れることのできない男がいた。かつての許婚の坂木蒼馬は、西丸書院番士であったが、徳川家治の嗣子、家基の死を切っ掛けに突如出奔したのだ。彼を忘れられずにいる志津乃に対し、蒼馬の友人だった男は、蒼馬が家基の暗殺を疑われていることを告げるのだった――。蒼馬が出奔した真相を知るため、志津乃は彼を捜す決意をする。意外な真相が胸を打つ、傑作時代小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のぶ

68
なかなか面白い構成の時代小説だった。全体の柱となるのは、十代将軍家治の子で将来の将軍を嘱望されていた、家基が鷹狩の後、突如体調を崩して亡くなった。それを連作風に各章で主人公を変え、事件を語らせているという話。そうする事で事件が立体的に浮き上がってくる。その中でも中心になるのが、書院番士として家基に可愛がられていた坂木蒼馬が突然の出奔。 蒼馬の無事を祈る許嫁、志津乃は真相を探るべく行動を起こす。他の語り部から見る物語も面白い、事件の真相はどこにあるのか?時代ミステリーのような作品。2019/05/01

けやき

47
徳川11代将軍候補だった家基の突然の死。その死の真相に迫るミステリー仕立ての時代小説。家基の死はほとんど知らなかったので新鮮だった。2023/10/19

のびすけ

25
これは面白かった!将軍家治の世嗣・家基の不審死の謎を巡るミステリー仕立ての物語。家基の死を切っ掛けに姿を消した坂木蒼馬と、かつての許嫁だった志津乃を軸に、事件に関わった7人の視点から7つの章で構成されている。各章で7人それぞれの背景と、事件に関わる経緯や思惑が描かれ、少しずつ家基の不審死の謎が解き明かされていく。蒼馬と対立する高階信吾郎の視点の物語が胸を打つ。信吾郎の最期は涙なしでは読めなかった。物語の広がり、奥行き、展開、構成、どれもが素晴らしかった。これまでに読んだ梶よう子さんの作品で一番かも。2021/12/12

タツ フカガワ

19
十代将軍家治の嗣子家基が鷹狩の帰途、体の不調を訴え三日後に死去する。毒殺も噂されたこの事件で、家基の側近くに仕えていた坂木蒼馬が突如出奔する。物語は蒼馬をはじめ彼と関わりのある許嫁、剣友、盗人など七人の目を通して家基急死の真相に迫っていく。実際死の真相(厳密にいえば死因の方)には驚きましたが、全体的に物語の盛り上がりには欠けるような気がしました。2020/07/09

陽ちゃん

7
将軍家治の嫡子家基が鷹狩りで体調をくずし、そのまま亡くなってしまう。この事件により、志津乃の許嫁蒼馬が出奔し、父や継母の時世からは信吾郎との縁組みを進めようとするが…。章ごとに事件に関わる人物の目線で話が進んでいくので、それぞれの立場がわかり易かったですが、武家のしきたりとはいえ遣りきれない思いがしました。2019/06/08

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