早わかり文学史

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早わかり文学史

  • 著者名:出口汪【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 語学春秋社(2019/03発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784875684398

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内容説明

超ロングセラー『出口汪 現代文講義の実況中継』の著者、出口汪先生の予備校での講義「近代日本文学史講義」を完全再現した本です。

★本書はしがきより
文学史は、評論などを理解するための重要な背景となるものなのだ。
しかも日本史とも重複するところが非常に多い。
ところが、多くの「文学史」や「文学入門書」の類は、ただ暗記事項を羅列したものが多い。これではとても覚えられるわけがない。
というのも、覚えるという行為は、必要事項をただやみくもにつめ込むことではないからである。そうやって無理に頭に押し込めたところで、すぐに忘れるし使いこなせない。
そもそも覚えるには、以下のプロセスが必要である。

(1)まず、歴史の流れを理解すること。この段階で、すでに君たちの頭の中に重要事項が無理なくインプットされている。
(2)次に各作家・作品について、何らかのイメージを持つこと。そのために、本書では様々なエピソードをふんだんに盛り込んでいる。こういったイメージとともに頭にいれることで、覚えやすいと同時に、忘れにくくなる。
(3)最後に、いったん記憶したものを定着させるために、反復することが必要になる。これには、付録の文学史の各表を利用してほしい。本書をひと通り読んだ後、たとえば189ページB表の下の部分を下敷きなどで隠し、「~主義」に対して、それに属する作家名・作品名・重要事項がスラスラ言えるようになるまで繰り返してほしい。

ひとたび受験という枠を取り払ってみると、世の中に、文学案内や文学の入門書なるものが氾濫しているが、どうしてああも面白くないものばかりであろう。文学の本当の面白さを、熱っぽく、しかも分かりやすく語ったものは滅多にないのではないか。
そういった意味で、本書は受験生はもとより、大学生や社会人の方にもぜひ読んでいただきたいのである。
「物語る」という行為を導入することで、無味乾燥な各暗記事項が実にいきいきと、分かりやすく流れるように頭の中に入ってくるはずである。あとは、反復によって、記憶を定着させるだけでいいのだ。
本書は、二日あれは読破できる。面白くて一息に読み終えてしまうだろう。入試直前であっても、十分に間に合う。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三井剛一

14
日本の文学史の流れをコンパクトにわかりやすくまとめられてる。各主義を対比させることで、時代背景や流れがつかみすくなっている。今後、作品を読むにあたっての助けになる一冊。浪漫主義以降の「自我」の目覚めは、文学史における大きなターニングポイント。森鴎外、島崎藤村の功績に驚いた。2024/02/02

Akito Yoshiue

10
これが一番わかりやすい近現代文学史の参考書だと思います。2020/12/06

サトゥルヌスを喰らう吾輩

6
センター試験対策用近代文学史解説です。谷崎潤一郎の刺青の解説にまれにみるキュートな勘違いがありますが、なんと手元の第七版まで奇跡的にスルーされています。天真爛漫だ。2014/11/25

FF5

3
☆3つ。文学史、特に近代における日本の文学史というのはとかくわかりにくいものである。いろいろな主義主張をわかりやすくまとめ、エピソードを交えつつ紹介する本書。非常に明解に書いてあり、どこがポイントなのかもわかりやすく受験生が読むにはいい本なのではないでしょうか。しかし、対照的に受験に出ない箇所はとことんスルーされ、また、著者の主観もかなり入ってきており、たまにその言い方はどうなんだ?と疑問符を覚えるところもあるので、諸手を上げて賛成といえるほどの良書ではないかなあと。まあ、窓口にはいいと思いますよ。2012/06/02

qeise

3
予備校の講師による日本近代文学史に関する講義の書籍化。無味乾燥な語句の羅列になりがちなこの分野の内容を、(i)写実主義に対する擬古文主義、(ii)自然主義に対する反自然主義(耽美派、白樺派、理知派)、(iii)プロレタリア文学に対する芸術派、というようにイズムの対抗関係を押えながら(そして、それが西欧化とその反動、と位置づけられている)、シンプルなストーリとしてときほぐしていく。暗記の詰込みはもううんざり、という人には、最適な本だと思う。詩・短歌について、もう少し内容を充実させて欲しかった。2011/08/11

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