内容説明
松尾スズキの自伝的要素を含んだ初の長編小説がついに電子化!
巨頭の少年フクスケは15歳にして生家を追われ、未知の大都会東京へと旅立つ。そこで出会った男のいざこざに巻き込まれ、伝染病が蔓延する中、死体の供養をしながら混乱と衰退と過剰が支配する日常を過ごしていた。そして、25歳になったフクスケは、『劇団大人サイズ』を結成する。
純愛・絶笑・神様! 因果の禍にまみれたフクスケの、文学史上類を見ない純愛冒険奇譚がいま始まる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フカミニハマル
3
★★★★ 「小説の前に」だけでも、読む価値あり。松尾さんの語彙のセレクトが見事。ありえない状況なのに、言葉が生きてる。2011/01/29
ざれこ
2
このシーンで笑う自分って不謹慎?とか思いながらも笑いが止まらんでしたよ。はまる人ははまる、ダメな人は捨てるぐらい嫌いだろうな、この小説。私はこういうの好物です、そしてそんな自分ってどうなんと冷静に突っ込む自分もいる。松尾スズキの著者語り、先にどう絡むかまるでわからんけどむっちゃおもろかった。2012/08/10
cyokomochimochi
2
最高にクールだった。正直著者語り系は苦手なので半分以上ある物語前のまえがきにひるんだがそんな心配する必要ないくらいすいすい読めた。筒井康隆を柔らかくして「はい、ここ笑いどころですよー」と笑うポイントを的確に指摘されているような印象。しかも指摘も不快でなくそれすらも芸の一部のような、なんだか新しい次元の小説だなあと思った。読む人を大分選ぶだろうが自分はこの本を面白く読めた事をとても感謝している。2012/05/13
すべから
2
100ページ近い前書きからして、何が何だか分からないのに、本編が始まると更にカオスティック。エログロに満ち溢れ、ごったごたな文体と寄り道だらけのストーリー。しかし、ページを繰る手は止まらない。ついて来れる奴だけついてこいって感じだ。登場人物は、新井英樹の絵で浮かぶ。更なるカオスと笑いを求め、引き続き下巻も読む。2011/09/24
Hibiki79
2
文庫で再読。雑多を極める世界観、現実と作り事の猫マンマ。松尾さんの戯曲と半生をなぞりつつ、笑いと嫌悪感で胸焼けしながら下巻へ。久々に読んだけどやっぱり滅茶苦茶だ!2011/01/15