内容説明
宿命の公主をめぐる絶品中華風ファンタジー。
遙か昔、荒涼とした大陸に、五人の神仙が舞い降りた。これが五仙大陸の始まり。そして五つの国が生まれる。東に發、西に肅、南に焦、北に幽、中央に雀。仙人の五羽の神鳥の名が国号の由来であるといわれ、この大陸では王朝が滅びる際に、青、白、赤、黒、黄――国ごとに色の異なる凶鳥が現れるという言い伝えがある。
大陸の南、焦の国王の第二公主として生まれた瑠蘭は、「夢視」の能力者によって、国に災厄をもたらすと予言された「凶鳥姫」。殺せば更なる災厄が起きるという理由で籠の鳥のように生かされてはいるが、他人の「過去」を読む能力まで持っていたがゆえに、いつも周囲に疎まれ、孤独だった。それでも瑠蘭は「いつか国の役に立ちたい」と願って日々を過ごしていた。
ある日、王宮が青い炎に包まれた。火を付けたのは前王朝を滅ぼしたとされる蒼焔だ。この凶悪な神仙に唯一太刀打ちできる力を持つのは鵬天という仙人だと知って、瑠蘭は彼が隠棲する漉冥山へ向かう。ところが、ようやく目通りがかなった鵬天は偏屈な変わり者。国の一大事にもいっさい力を貸す気はないようで……?
宿命の公主をめぐる絶品中華風ファンタジー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
32
王朝が滅びる際に凶鳥が現れる国のひとつ焦。国王の第二公主として生まれて特殊能力を周囲に疎まれていた瑠蘭が、亡国の危機に神仙・鵬天の力を借りるべく彼が隠棲する漉冥山へ向かう中華風ファンタジー。二百年前と同様に青い炎で王宮を襲った蒼焔、国の一大事にも力を貸す気はない鵬天。世界観を考えると意外にこじんまりとした印象でしたけど、鵬天をもどかしく思いつつも自らの力と向き合い、民のために奔走する瑠蘭に鵬天も感化され、二百年前の真実も明らかになってゆく展開は良かったですね。今後各国の物語へ世界が広がっていくことを期待。2019/04/19
あゆみ
22
★★★☆☆ 五仙大陸や神仙という設定を大きくした割に登場人物が少ないため、その正体や悪役が誰なのかすぐに気づけてしまうのが残念。凶鳥姫と虐げられてきた瑠蘭が国を守るために必死になる姿にあまり共感できず、鵬天に対する説得も押しつけがましく感じてしまうのは私が捻くれているからなのか…2019/03/25
にゃうぴょん
11
過去を読む力があり周囲に疎まれていた瑠蘭が国の危機に仙人の助力を得る為に向かうお話。瑠蘭が成長し、神仙蒼焰の真実が明らかになるスピードのある展開で面白かったです。2019/05/07
悠遠
5
過去を見る主人公は王族の生まれだがその力故にみんなから疎まれていた。そんなある日、王宮を蒼い炎が包み…。 オチはこうだろうな、というままに進む。良くも悪くも王道的。いろいろな国の名前が出てくるがほぼ身内話で終わり。多分、のちのち他の国の話も出すための第1弾的な? 可もなく不可もなく。2023/05/27
宴
5
さらっと読んだ。よくもわるくも薄味最近小説読み始めた~とか、中華風で軽く時間つぶせたらいいなと思ったらおすすめできるかも。一冊に詰めたからこうなったのか分厚ければどうにかなったのかは不明。2019/03/16