内容説明
天才理論物理学者ホーキング博士が生涯追い求めていたもの、それは誰にも解き明かされていない究極の問の答え（ビッグ・クエスチョン）だった。「人類は地球に住み続けるべきか？」「AIは人間を超えるか？」など10の難問への見解に加え、死の直前まで書き続けた未来を生きる人々への熱いメッセージ。累計100万部突破、世界40か国で刊行決定の話題作！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
143
前半は著者の研究に深く根ざした宇宙の問い。過去の著書と重複する部分もあるが、図解なしでもこれまで以上に明解。ビックバンやブラックホールなど様々な発見や新理論に胸を躍らせる著者の姿が浮かび上がる。後半は人類の未来に対して。環境、人口、エネルギー、核、AIなど、逼迫した社会問題を解決するには地球はもはや小さ過ぎる。増大するテクノロジーへの対応力は今後の世代で益々問われていくことだろう。「人生がどれほどの困難なものに思えても、あなたにできること、そしてうまくやれることはきっとある」—真摯な努力もまた無境界だ。2021/05/01
miri
70
たとえば、「宇宙はどのように始まったのか」という質問に代表されるような、ビッグ・クエスチョンに答えるという肩の凝らない一冊。博士が、数式を使わずに説明しようとすれば大抵の人はその意味を受け止めることができると述べているように、私も含め対象は理論物理学に馴染まない層だ。先の問いに対して、宇宙は何もないところからひょっこり生じたとする。平行宇宙の肯定、物理法則が違う宇宙が存在するというのもまさにSFの世界だが、本当のことらしい。好奇心が満たされました。2019/11/29
アキ
66
２１歳で余命５年で、ＡＬＳと宣告され、昨年７６歳で死去した。今まで講演などで語ったものを１０の質問に答える形でまとめたもの。「ビッグバンの前には何があったのですか？」「ビッグバンの前に何があったのかと問うことに意味はありません。「前」を示すために必要な時間の概念がないからです。時間の概念があるのは、私たちの宇宙の内部だけなのですから」。「よりよい未来のために何ができるのか？」人類が生存するのに適した惑星を求めて宇宙を探査することと、人工知能を建設的に利用すること。宇宙と人類の未来へ示唆に富む最後の問答。2019/07/25
inami
62
◉読書 ★4.5 久々に？わくわく興奮しながら読みました。ビッグ・クエスチョンは、いきなり「神は存在するのか？」と問いかけ、「人類は地球に住み続けるべきか？」、「AIは人間を超えるか？」など、人類の未来に関する問いにもおよびます。そしてそれらの問いに対し、ブラックホールの研究で知られるホーキングの回答は、洞察に満ち刺激的です。宇宙や科学にあまり興味のない方々にも是非読んでいただきたい、とても素晴らしい本です。ほんに本当です（笑）。何せ「人類・すべての生き物・地球・そして宇宙」・・の未来に関わることですから2019/06/05
みき
49
車椅子の天才、ホーキング博士。氏の困難に打ち勝つ生き方などに憧れる人は多いと思う。私もご多分に漏れずに憧れている。そんな氏の遺作となってしまったのが本書。相当に高度な内容だと思われるのだが平易に書かれておりスラスラ読める。本当に理解していないと書けない文章だと思う。内容は氏がビッグクエスチョンと銘打った未解決の問に対して私見を述べていくというもの。問いの例として「神は存在するのか？」「宇宙には人間のほかにも知的生命が存在するのか？」などが挙げられ、多くの人が興味を持ってくれるのではないだろうか。珠玉の1冊2023/01/13
