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内容説明
ハイブリッド戦争の内幕とは。毎日新聞モスクワ特派員が両国政府と親露派の要人を取材、砲撃と空爆で破壊された街に潜入して、戦闘員と市民の声を聞く。激動のロシア情勢を伝えるルポルタージュ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
104
2014年に書かれたウクライナからのルポ。タタール人の蹂躙された歴史や、マレーシア航空機の墜落も、ソ連、ロシアの関与がある。同年クリミアがロシアに併合された舞台裏をプーチン自ら語っている。この併合により欧米からの批判が高まったが、ロシア国内では支持率はかつてない程上昇した。プーチンが旧ソ連諸国との政治・経済での統合を図る「ユーラシア連合」構想という"物語"にウクライナは不可欠であることが、その頃からの一貫した主張。ソ連崩壊とその後の指導者たちへの失望が、プーチンを生んだのかもしれない。戦争は継続している。2022/03/13
きみたけ
72
今朝もウクライナ侵攻のニュースが絶えない中、ウクライナの歴史や地政学的状況が良く分かる一冊。著者は毎日新聞記者の真野森作氏。2013年から17年までモスクワ特派員として旧ソ連諸国を担当、特にウクライナ情勢について注力。クリミア併合とタタール弾圧、ウクライナ東部(ドネツク・ルガンスク)情勢、マレーシア航空機撃墜、そしてプーチンの目指す先など、良く分かりました。ただ理解はできるものの、ウクライナを武力でねじ伏せるやり方はいただけません。世界的な包囲網の中、孤立したプーチンが核兵器に手を出さないことを望みます。2022/03/06
だまし売りNo
38
侵略しているのはプーチンのロシア連邦である。2023/05/10
姉勤
35
日本人記者による、ロシアによるクリミア半島征服前後のルポ。現地取材とインタビューで当時のウクライナの空気を感じ取れる。この地域の複雑な歴史を副読本にしないと、日本人のメンタルでは理解し難い点が多い。それでもサイレントインベージョン(武力を用いない経済や心理に干渉していく侵略)の実際をフィルタリングされたニュースを見、日本が蚊帳の外でいる感覚でいる自体が、前哨戦で完敗しているとわかる。マレーシア機の撃墜を数ヶ月「行方不明」とした、情報工作能力とその骸の放置の描写が、世界規模の現在進行形の破局を想像させる。2022/02/08
Porco
22
毎日新聞の記者が、ロシアに併合されていくクリミアや侵攻されるドネツクなどの現地を取材し、さらにキエフやモスクワのみならず、シベリアやアメリカにも足を伸ばして周辺取材をした記録。すごい。2019/06/20