内容説明
なぜ、「平和」は「戦争」に負け、第二次世界大戦が勃発したのか。なぜ、避けることが可能だった日米戦争が起こったのか。その不条理を追究し、偽りの歴史を暴く!
戦争を企んだ「国際金融資本家・ロックフェラー」と「好戦家・ルーズベルト」。そこにつけこむスターリン・コミンテルンなどの国際共産主義運動の策謀。その危険性を見抜き、彼らと対峙したフーバー。そういった、アメリカが攻め込まれない限り、戦争はしないという「不干渉主義者」だったフーバーたちは「孤立主義者」と貶められた。
日本では、フーバーとも会ったことのある近衛文麿は、尾崎秀実、風見章、牛場友彦、松本重治、白洲次郎らを初めとする「問題人物」を手玉にとったつもりで、実は「ピエロ」としての役割しか果たせず、自滅し敗れ去って行った‥‥。
前作『近衛文麿 野望と挫折』に続く、渾身のノンフィクション大作
(著者の言葉) →世界は今も戦争の危険と恐怖が絶えません。「なぜ、人類は戦争をしなければならないのか?」。私は、現実的な観点から平和な世界をつくる手がかりを探る試みとして、本書を世に問います。ルーズベルト、フーバー、近衛の動き、ロックフェラーの関与を並列的に叙述しました。日米共通の歴史認識が必要との問題意識がそうさせたのです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うらなり
28
ずっと以前から山本五十六の挙動が疑問だったが、謎が氷解した。あまりにも東郷平八郎と違いすぎるので。中国戦線を拡大したのもコミュンテルに影響を受けた海軍と近衛の野望だったとは。しかし、天皇制崩壊、共産国を目指した司法大臣風見章が戦後勲一等などと表彰されているのは不思議な気がする。この件について息子と議論したが、もし革命が成功していたら世界で理想的な共産国になったかもしれないと、のうてんきなことを言われてしまった。2020/04/21
幸猪
22
【悪魔の使いルーズベルト 平和の天使フーバー 文麿というピエロ】この三人と国際主義者の関係性を考えることで、日米戦争の策謀者が誰かを著者はひもといて説明している。また、日米共通の歴史認識が必要とも。難解ではあったが、読んで読んで良かった本だ。2022/02/07
Honey
11
動画でも何度も拝見した林千勝さん。近衛文麿の謎を解くべく、もうずっと前からそう運命づけられていたのかも...。 大変読み応えありました。 続編を準備中らしいですが、楽しみです!!2020/05/06
hdo obata
10
歴史の真実とは何だろう?歴史学者のように膨大な一次資料から真実を紡いでいくという作業は、小生にはできない。したがって信頼に値すると思う著者の本を通して歴史の知識を蓄えていく。当然ながらその著者のフィルターを通して世界を見ることになる。小生の場合、それは司馬史観であり、阿川史観であった。どちらも程度の差はあるが、陸軍悪玉、海軍善玉説をとる。しかし林さんはそれを覆していく。海軍こそ悪玉、勝てるシナリオを壊し、破滅の道へまっしぐら・・。その扇の要に近衛文麿がいる。これが「林史観」と評価されるようになるのかな?2019/07/26
Åκ
9
太平洋戦争に関して三冊目。近衛文麿を含め、この戦争は共産主義者の暗躍により貶められた。8500万人が犠牲になった。私たちが教えられた歴史とはあまりにも虚偽に溢れている。歴史を知ることで、今起きていることも誰が正しいことを言っているのか理解することが大切だと思う。共産主義、チベット、ウイグルで起きていることに世界は声をあげなければならない。2019/07/27