内容説明
PTSDを引き起こす外傷記憶、恨みや罪悪感、うつ病や強迫神経症、依存や中毒など、あなたの心をいつまでも蝕む、思い出すのもつらい過去や苦しい症状、頭にこびりついた記憶や心をかき乱す感情――こうした「忘れられないこと」を上手に「忘れる」ための具体的な方法をベテラン精神科医が説く。人が遭遇するさまざまな「忘れられない」ケースを紹介するほか、「忘れることができない」メカニズムを脳と心の両面から解き明かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミライ
37
2006年刊「忘れる技術」の新装版。PTSDや恨み、罪悪感、うつ病、脅迫神経症、依存中毒などなど「忘れられない」状況で、うまく「忘れる」ための具体的方法を精神科医の著者が解説する。脳の構造と心の状態の両面から解析、ネガティブ感情をなくし人生を前向きに生きる「マインドセット」的な思考も見られて興味深かった。2019/01/19
makio37
10
忘れられない記憶があり困っているわけではないけれど、いくつか興味深い内容はあった。忘れられるふつうの記憶は「頭の記憶」(海馬)と「体の記憶」(扁桃核)がしっかりつながっている記憶で、忘れられない外傷的な記憶はこの両者がバラバラになっているのだとある。扁桃核の興奮が異常なまでに強いと、海馬の動きを抑制してしまうらしい。また、心のバランスシートという考え方も参考になる。対人関係で起きる問題は、お互いのバランスシートがけっして帳消しにはならない故だと考えれば、少しは気楽になるかもしれない。2019/02/10
Fiver
6
ちょっと難しかったけど…。臨床経験に基づくエピソードがたくさんで、なるほど〜色んな人がいるんだな〜って思ったり。楽しかった記憶ほど忘れる…というのは悲しいけれど、自分の一部として溶け込んだと思うことにしよう✨みんな違ってみんないい〜(*ˊᵕˋ*)♬*゚2020/06/03
funuu
5
2006年に刊行したのを改題新装。16年の時が過ぎデジタル化が進んでも人の悩みは変わらない。人は加えられた危害は実際より過大に感じ、他人に加えた危害は過大に感じる。🇷🇺🇺🇦の戦争の根は同じ。やり返すのも一つの方法。日本人の好きな忠臣蔵。安倍さんを殺した山上容疑者も統一教会への恨みをやり返した感じ。イスラエルのユダヤ人虐殺犠牲者の碑には「許そうだが忘れまい」案外日本人は「忘れる技術」は高いのかもしれない。2022/11/13
学び舎くるみ
4
忘れる技術を身につけるべく、忘れられない事例を読んでいたら、忘れたと思っていた恨みがましい気持ちが蘇って来て、「許しのための五つのステップ」の実践を試みる。 難しいが、現在の怒りや辛さを軽減するために「忘れないこと」を選択したのは自分なのだという自覚を持ったら実践していけそうな気がする。精神科医やカウンセラーに頼る手もある。 自分の場合、そこまで重症ではない気がする。思い出してしまった恨みの気持ちは「思考制止術」を繰り返して克服しようと思う。2019/02/16