- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
生成文法、構造主義、社会言語学、……旧来のイメージや枠組みを飛び越え、複雑系言語学、言語死の問題など、言語学には新しい知見や切り口がどんどん登場している。本書では、言語学の全体像や基本の構造を俯瞰しつつ、重要な分岐点にさしかかっている議論や新しい枠組みまでを縦横無尽に取り上げ「言語学の今」を浮かび上がらせてみたい。国家、発達障害、人工知能、……現代に即したキーワードも切り口に、最新言語学をガイドする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
55
学校でさらっと勉強し、忘れかけた知識を補強するために手に取った。面白いトピックが多く、専攻したい学生は読んでみると参考になると思う。日本語も超長期的に見ると消滅の可能性があるということに戦慄した。2019/03/15
南北
25
言語学の新しい知見について横断的に書かれた「概論」です。複雑系言語学や言語死などが取り上げられています。今後は細分化した学問分野を再編成すべきだと指摘しています。ただし入門書ではないので、従来の言語学についての知識をある程度持っている人でないと難しく感じるのではないかと思います。2019/07/18
さとうしん
13
言語学の講義というよりも、言語学にまつわるエッセー集という趣き。第3章の印欧語族というくくりが設定された経緯など、近代言語学の成立史が最も参考になった。本書で繰り返し言及される言語学研究者の記述的態度と規範的態度の問題は、先日読んだ『社会学史』で触れられている社会学者は「天使としての立場」に満足できるかという問題とも通じ、人文社会学系のすべての分野で問題になることではないかと思う。2019/04/03
Gamemaker_K
12
言語学の現在地がざっくりわかる一冊。複雑系言語学って絶対面白いだろ。生まれ変わったら、それを専攻しよう。なんか人間以外のものに生まれ変わりそうだけど。…学生の頃は言語習得に興味があったんだけど、もう少しきちんと修めとくべきだった、とこの手の本を読むたびに後悔する。2019/05/01
amanon
11
タイトルにあるような講義録という体裁はとっていないが、現代言語学のざっくりとした見取り図と言っていいかもしれない。著者自身、後書きで述べているように、言語学と一口に言ってもあまりに多岐に渡っており、言語学者同士でも話が通じないことがある程とのこと。そう考えると、ここまでコンパクトに現代言語学のあらましをわかりやすくまとめたというのは、ある意味驚異かもしれない。個人的にとりわけ驚かされたのは、現代ヘブライ語構築の過程。一旦失われた言語をほぼ一から形作って現代人の使用に耐えるものにしたというのは殆ど驚異。2023/12/29