内容説明
トマス・ホッブズ・ライプニッツ及びジャン=ジャック・ルソーといった啓蒙期「知の巨人」たちの「法」「国家」「国際法」観念の考察が本書のテーマである。現在の一般知識からは影となっている事実に焦点を当て、彼らの「法」「国家」「主権」理論を論理的に描き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sayan
26
いとも簡単に国際法が破られる。ホッブズ的国際社会観が国際政治の「現実」の理解に有効とする認識は説得力がある。本来この文脈で無制約の主権国家間の関係を法的に規律可能するためにどうすべきか、国際法学者は応答する立場にあるが手を拱く。そんな現実を眼前に、本書がそして本書を最高に刺激的にする瞬間は我々が「負の国際法意識」から無視した過去の思想家に言及し、彼らの法、国家、国際法に対する観念を読み取り現在を拓くキーとなるミッシングリングを紡ぎだす議論展開だ。ホッブズを筆頭に2020年代の国際政治に新たな可能性を示す。2024/01/03